鉄瓶から空に向かって注がれる七色の橋。美しい虹の写真にX(旧Twitter)に7.6万いいねがつき、反響を呼んでいます。
南部鉄器工房「及富」の職人であり、写真の投稿者である菊地海人(@kaito_kiku327)さんは、「とてもくっきりと鮮やかな虹が出ていたので、写真を撮ろうと思った時に、ちょうどこの設置された鉄瓶のモニュメントの背景に虹がかかっていました。注ぎ口にあわせたら面白いのでは?と思いつき撮影しました」。写真に写っているのは本物の鉄瓶ではなく、40年ほど前に製造された工房のモニュメントだといいます。
写真を投稿したところ、その美しい情景は大きく拡散。写真には「これぞ工芸品」「鉄瓶から幸せが注がれてる」「なんだか良いことありあそう」「縁起のいい写真だな〜」と絶賛の声が相次いでいます。
このモニュメントが飾られている南部鉄器工房「及富」は、創業175年目の歴史ある工房。家業に就いて8年目の菊地さんは、「web製作、販売営業、派遣社員として工場勤務など、いろんな業界を転々としながらこれを続けたいという仕事に向き合うことが出来ずに30代まで過ごしていました。結婚を機に父に直談判をし、家業である工房で勤め始めました」と語ります。
現在では南部鉄器の職人としてはもちろん、プロダクトデザイナーとしても活動。Xでは南部鉄器の魅力を日々発信されており、伝統的な鉄瓶などはもちろん、「南部鉄器スタビライザー」や、麻柄の模様を施したフライパンなど、ユニークで魅力ある南部鉄器製品の数々を紹介しています。
そんな菊地さんに、南部鉄器の魅力を伺いました。「世界中の方に愛されている鉄器の一つが南部鉄器です。近年では外国人観光客の方のお土産としてのニーズも高まっています。お茶を愛する国の方にとっての道具の選択肢として鉄瓶はあがります。近年では、珈琲との相性も注目され、著名なバリスタの方が鉄瓶を使うことも増えています」(菊地さん)
さらに、「見た目のデザイン性だけではなく、お湯に溶け出す鉄分も注目の理由の一つであり、日々の生活の日用の道具でありながら彩りを添えてくれるのが鉄器の魅力だと思います」とも語ってくれました。