骨と皮だけガリガリで、山に棄てられていた犬→9月で8歳の誕生日! 宿の看板犬として兄犬と活躍「家族になれて良かった」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「看板犬」の2匹、相思相愛の兄妹犬に!

――クララさんにとって先住犬のリュックさんは頼りになる兄犬。どんなワンちゃん?

「リュックさんは結構気性が荒く、他のワンちゃんに対してはケンカっ早い性格なのですが、弱ったクララさんを保護する現場に一緒に居合わせたり看病の様子を見ている中で、クララさんのことを敵やライバルではなく、『弱い者』『守るモノ』として認識したようで、クララさんにケンカを吹っ掛けられてもご飯を横取りされても全く怒らず。それこそ大事な妹のように接してくれました。

2匹の相性がとても良かったのが一番うれしいことでしたし、後々宿をやりながら2匹を飼うに当たりいろいろな面で助かりました。今だにリュックさんはクララさんが大好きすぎてクララさんを甘やかすので、今ではクララさんは立派な絶対女王となり、リュックさんは立派な下僕となっております」

――看板犬としてのデビューはいつ?

「実はもともと、宿には犬が苦手なお客様もいらっしゃるので、2匹の存在は表立っておらず、館内の営業スペースに2匹は出していませんでした。でも常連のお風呂のお客さまやリピーターの宿泊のお客さまが何度もいらっしゃるうちに、やはり2匹の存在に気付く方もいて、徐々にそういった方に認知されて。館内の帳場前のスペースで遊んでもらったり、お見送りしたりするようになったのが3、4年前の話。本格的に『看板犬』と呼ばれるようになったのはここ1、2年のことです」

――最近のクララさんやリュックさんの活躍ぶりは。

「クララさんは少しビビりな面もあるので、最初は様子見でふた吠えくらいするのですが、今では絶対女王に君臨していますので、慣れてしまえばお客さまの前でも皆の中心に鎮座してチヤホヤされたい感が満載です。リュックさんが会話の中心にいるとすねます。またリュックさんは甘え上手なので、気に入ったお客さまを見つけては『なでて~』とすり寄っていきます。やはりクララさんはレトリバー系のワンちゃんを飼っていたり飼ったことがあるお客さまには断トツ人気です!」

――8歳になるクララさんですが、おうちにお迎えして今思うことをお聞かせください。

「今回久しぶりに昔の誕生日の写真を見返したりして『こんな時があったんだよな~』としみじみ思い出すとともに、今はクララさんもリュックさんも毎日楽しそうに生活しているのでその姿を見るだけで幸せだと思いますし2匹にはこのまま元気で長生きしてほしいな…、ただただそう思います」

兄犬リュックくんも元保護犬とのこと。九州の保健所から殺処分前日に保護団体のボランティアさんを介しギリギリで救出、お迎えしたそうです。クララさんとは相思相愛の仲だとか。おふたりともお幸せに!

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