このままでは多頭飼育崩壊 優しさの連携で救われた2匹の子猫 甘えん坊のおひざ猫に変身したね

松田 義人 松田 義人

岡山県のとある場所で、外猫を見かねて餌をあげ始めた人がいました。一部の猫は家に迎えましたが、それ以外は外のままで過ごしており、今年春時点で合計で5匹のメス猫が24匹の子猫を育てていました。

その中の、生後半年ほどの1匹の子猫に至ってはパッと見て妊娠中とわかる状態。このままにしておけば、数カ月後には100匹を超える恐れがあり、まさに多頭飼育崩壊へのカウントダウンが始まっていました。

心ある人たちの連携で救われた命

この状況を知った餌やりの親族が、自身の飼い猫のかかりつけの獣医に相談。懇意の保護猫ボランティアに依頼し、保護することになりました。

しかし、そのだけでは、計30もの猫を引き受けることはできません。関係のある他の保護団体にも声をかけたところ、保護の第一陣として引き受けることになったのが東京・港区を拠点に活動をする保護猫ボランティア団体・みなとねこでした。みなとねこでは、この猫たちのうち、子育てをしていた親猫2匹、11匹の子猫、さらに妊娠している1匹の猫の合計14匹の命を預かることにしました。

当初の威嚇から一転2匹ともスタッフに甘え始めた

この子猫のうちの2匹が大くんと福ちゃんのきょうだい。大くんはオス、福ちゃんはメスです。大くんも福ちゃんもシャム猫のように耳や鼻、足先、しっぽなどの先端に色が入っているシールポイントです。

頭にはっきりとしたシマ模様が入る大くんは好奇心旺盛な男の子。みなとねこに寄付された猫用の段ボールのお家を組み立ててあげると、窓から出たり入ったりと楽しそうなそぶりを見せてくれました。

福ちゃんは動きが活発でにゃんプロも好んでするため、当初オスだと思っていましたが、れっきとした女の子。大くんのことが大好きで、いつも大くんと遊びたがるかわいい猫ちゃんです。

保護当初こそ、恐怖で怯えていた2匹ですが、みなとねこの預かりボランティアさんのもとで暮らすようになってからは、すっかりお膝猫になりました。なでればゴロゴロ、抱っこしたら離れなくなり、膝からおろそうとすれば大変な騒ぎとなるほどのかわいい甘えん坊ぶりを見せてくれるようになりました。

「我が道をゆく」2匹に里親希望者さんが現れた

実は大くん、福ちゃんにはもう1匹、豆ちゃんというメスのきょうだいの猫ちゃんがいました。つまり、「豆・大・福」ということです。

当初は、3匹一緒に預かりボランティアさんのもとで暮らしていましたが、なかなか3匹一緒に引き受けてくれる里親希望者さんはいません。そこで豆ちゃんは一族の中で一番人に馴れており、美猫と呼び声の高い母猫とペアを組むこととなり、別の預かりボランティアさんの家に引越しすることとなりました。その後、いち早く新しい里親さんのもとに巣立っていくことが決まり、大くん、福ちゃんもまた「これに続け」と里親希望者さんとの出会いを待ち望んでいました。

人が大勢来る譲渡会では大くん、福ちゃんとも怖がってしまうのではないかと心配していたそうですが、さすがの大&福コンビ。大くんは始終ゴキゲン、福ちゃんに至ってはなんとヘソ天のままスヤスヤと寝て過ごしていました。

こんな大くん、福ちゃんの「我が道をゆく」様子を気に入った里親希望者さんが現れました。とにかく甘えん坊の大くん、福ちゃんです。留守番などの時間が極力少ない里親さんに譲渡することを望んでいたスタッフでしたが、聞けばこの里親希望者さんは「ほぼ家にいて、2匹と一緒に過ごすことができる」と言います。

果たして、大くん、福ちゃんともにこの優しい里親希望者さんの家に迎え入れられることとなり、「ずっとのお家」へと巣立っていきました。

みなとねこは自称「日本一おせっかいな猫ボランティア集団」。譲渡して終わりではなく、譲渡した後も、里親さんのあらゆる相談には都度対応するとのこと。そしてさらに1匹でも多くの猫ちゃんたちの命を救い、幸せな生活に繋げることを目指し、今日も精力的に活動を続けていくとのことです。

※現在みなとねこでは特定の協力団体以外からの保護依頼などは受け付けておりません。

みなとねこ
https://www.minatoneco.com/

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