「立地優先」で購入した中古マンション…管理費・修繕積立金が安いけど大丈夫?→実はケチケチ「自主管理」物件だったことが判明

中瀬 えみ 中瀬 えみ

大規模修繕の検討や毎月の清掃・管理を話し合うマンションの管理組合。新築マンションの場合、多くは建設した不動産会社の系列不動産管理会社のサポートが入る「委託管理」であることがほとんどですが、築年数が経過した中古マンションでは各個のマンションオーナーの代表となる理事を中心に「自主管理」方式をとるケースも少なくありません。そんな自主管理方式をとる中古マンションを購入したAさん夫妻(関東在住、30代、共働き)は、マンションの現状にモヤモヤとした不安を抱えているそうです。

あれ?管理費も修繕積立金も安いな…とは思っていた

DINKSで毎日忙しく働くAさん夫妻は、通勤に便利で買い物や病院にアクセスしやすい中古マンションを中心に家探しをしていました。

マンション本体価格だけでなく、毎月の管理費と修繕積立金の額も確認し、トータルで支払いに無理がないかをきちんと比較検討したAさんは、購入したマンションの修繕積立金と管理費の金額が周辺相場よりも低いことに気が付いていたそうです。

その点を仲介の不動産会社に質問したところ「このマンションは5階建ての低層マンション。近辺に多く建つ10階建て以上のマンションに比べると、外壁や水道管、エレベーターの点検費用など、いろいろ安くなりますよ。また、立体駐車場やキッズルームといった共有設備がないことも、費用が低くなっている要因です」と返答され、納得&満足していたのですが…。

必要な修繕が先送りされている!?

入居後、フルリフォームを行い快適に暮らしているAさん夫妻ですが、室内がきれいになった分、気になるところが出てきました。

たとえばなにやら古めかしいアルミサッシや玄関ドア。それからベランダの雨どいが古く、塗装に細かいヒビが入っていました。隣室との仕切り板もがたついており、必要な修繕が先送りされているような印象も受けます。そういった部分は「マンション共用部分ですから勝手には変えられませんね」とリフォーム会社からも言われていますが、どうしても目に入ってしまいます。

その他にも、マンション1階の生垣部分の手入れがされておらず伸び放題だったり、可燃ごみの保管コンテナが割れていたり…。入居してから気になることが増えてきました。

ひとまず管理組合の理事長あてに「アルミサッシの取り換え許可」を申請してみたところ、「一部を変えるというわけにはねえ…外観が変わっちゃうのはねえ…」とはぐらかされてしまったAさん。

ならば建物全体の大規模修繕の計画は?アルミサッシはいつ交換予定なのか?と聞いてみても「今のご時世新たな負担をお願いしても、足並みがそろわないですからねえ…」と煮え切らない返事しか返ってきません。

管理会社は解約済み…自主管理に

だんだん不安になってきたAさん夫妻は、顔見知りになったお隣さんに管理組合について聞いてみることにしました。

もともとはマンションを販売した会社の子会社が管理会社として入っていたそうですが、15年ほど前に管理会社が管理費の値上げを通知。その際に今も役を引き受け続けている理事長が中心となって「とにかく値上げには応じられない」とつっぱね、管理会社を解約してしまったのだそう。それ以降は「自主管理」で、必要最低限の清掃や共用部の照明の取り換えなどに絞っているのだとのこと。

建物の耐震診断などは問題ないため、特に生活には支障がありません。毎月の管理費と修繕積立金の額が安いならその方が助かる…と、高齢世帯になりつつある住民の多くは感じているそう。Aさん夫妻のような「後から引っ越してきた若手世帯」も、自主管理の状況については「マンション理事をずっと引き受けてくれる人がいるのはありがたい」と程度に思っているようで、大きな問題にはなっていないようです。

引っ越してきたばかりのAさん夫妻は、ひとまず我慢して理事長交代の機会を伺うことにしました。

「中古マンションの検討項目には、マンションの管理方法と過去と今後の修繕計画を入れておくことをオススメします」…それがAさんからの伝言です。

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