”ととのう”も多様化…いま、若者に人気のサウナの傾向は? 「人の目を気にしたくない」「自由気ままに」

山陽新聞社 山陽新聞社

 若者の間で「サ活」「ととのう」は今や日常用語。サウナブームは止まらず、個室タイプが人気を集めている。1人または友人らと少人数で人目を気にせず自由気ままに“プライベート空間”を堪能する。その魅力や楽しみ方を取材した。

海辺のたる形、デニムの水着で

 定員4人の木製たる形サウナの室内。6月中旬、おしゃべりしながら汗を流す女性4人グループがいた。大学時代の友人という。屋外の水風呂に漬かった後は木陰の椅子で一休み。波の音や鳥のさえずりを聞きながら、リラックスした様子で外気浴をしていた。

 会社員(23)=岡山市=は「温泉のサウナに比べて友達だけでわいわいできるのが良い。非日常も味わえてリフレッシュできた」。

 瀬戸内海を一望できる「浮(フー)サウナ」(倉敷市児島唐琴町)は、若者を中心に県内外から観光客が訪れる人気スポット。デニム製品企画販売のITONAMI(同所)がマリンレジャーの閑散期となる冬場の誘客につなげようと、宿泊施設の敷地内に昨春設けた。基本は初対面の人と一緒に利用するが、女性限定や貸し切りプランも用意。混浴のためカップルや夫婦にも好評だ。

 デニム生地のサウナハットや水着をレンタルし、おそろいのウエアで入るのが「かわいい」とインスタグラムで話題に。スタッフの大原妃南乃さん(25)は「最高のロケーションの中で楽しんで」と呼びかける。

カスタマイズ自在な男性1人用

 完全個室で1人没頭できるのは男性専用のサウナチェーン「HOTTERS24岡山今店」(岡山市北区今)。部屋の広さは幅1メートル、奥行き1・2メートル、高さ1・7メートル。建物内にこぢんまりとした五つのサウナ室が並ぶ。

 同店は新型コロナウイルス禍の2021年10月にオープンし、密を避けられると注目された。24時間営業・年中無休を売りに、感染が比較的落ち着いている今も会員数は増えている。当初は中高年がターゲットだったが、25~34歳が全体の約4割を占め「若者のサウナ人気は根強い」とスタッフの高橋凱人さん(25)。仕事終わりや昼休憩に訪れる人もいるとか。

 熱した石に水をかけて蒸気を出すフィンランド式「ロウリュ」ができ、温度は80、90、100度に設定可能。週3回程度利用するサウナ歴約10年の男性会社員(35)=倉敷市=は「いろいろ回ってみて、ここは自分好みにカスタマイズできるのが良い」と笑顔だった。水風呂やシャワーは共有。

テント形は時と場所を選ばず

 コロナ禍のアウトドアブームに着目し、21年から4人用のテントサウナを貸し出すのはログハウス販売のオーネスト(岡山市中区祇園)。大型連休や夏休みなどに20~30代の申し込みが目立つという。

 代表取締役の西井佑介さん(35)によると、まきストーブなどの備品とともに簡単に持ち運べ、20分程度で組み立てられる。河原でキャンプ、バーベキューを行う際や自宅の庭で使われ「時と場所を選ばず手軽にプライベートサウナを体験できるのが受けている」とみる。購入を考えている人はお試しで使えそう。

 友達同士でにぎやかに、1人で静かにまったりと―。過ごし方は多種多様で、サウナ熱はまだまだ冷めそうにない。

 メモ 浮サウナは1人2200円(90分)。HOTTERS24岡山今店は月会費1万890円(入会金別途)。オーネストのテントサウナは7日間レンタルで2万円。詳細は各社・店のホームページやインスタグラム。

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