会ってみたい
すいくん(1歳3カ月・オス)は、2022年4月、生後1カ月くらいの時に、個人で保護活動をしているボランティアに保護された。すいくんを含めてきょうだいは5匹、すいくんだけが男の子だった。その後、預かりボランティアの家ですくすく育ち、何度か譲渡会に出たがなかなか里親が決まらなかったという。
茨城県在住のKさんは、夫と「家を建てたらペットを飼いたい」と日頃から話していた。
「夫婦で猫カフェに行ったりしているうちにすっかり猫の虜になりました。何度か譲渡会に行きましたが、気になっていた子が病気になって譲渡できなくなったり、猫を飼うのが初めてで共働きということもあったりして、私たちもすごく慎重になってしまい、トライアルに踏み切れず、なかなか猫とのご縁がなかったんです」
そんな中、ネットで里親会の情報を見ていると、すいくんが目に入った。「会ってみたい」。そう思って2023年3月に譲渡会に参加したそうだ。
甘えてくれた!
すいくんは1歳目前。「人が好きで、初めて猫を飼う方におすすめです」と保護団体のスタッフは言った。Kさん夫妻は「笹かま猫」という可愛い柄、目が青くとてもきれいなすいくんに惹かれ、すぐにトライアルを申し込んだ。その時、「人懐こいので、ケージではなく部屋を開放し、フリーでお願いします」とスタッフに言われたそうだ。
保護団体のスタッフに家に連れてきてもらうと、初日はテレビ台裏やゴミ箱裏に隠れてしまった。
「でも、夜にはトイレをして、ひとまず安心したことを覚えています。他の猫たちと一緒に育ったので、初めて1匹になって不安だったのかもしれません。夜はかなり夜鳴きをしていました」
Kさん夫妻は、翌日から日中は仕事へ。すいくんはお留守番だ。
「昼休みに家に帰ると、ごはんには手をつけておらず焦りました。保護団体の方に相談し、ちゅーるなら食べてくれるかもとアドバイスを頂き、ようやくお昼にちゅーるを食べてくれました!」
Kさんは、「やっぱり1匹では寂しいのかな」と不安になったが、夜には隠れることもなくなり、スリスリしてきてすっかり甘えん坊に。夫婦で「よかったぁぁ」と胸を撫で下ろしたそうだ。
名前は最初、預かりボランティアさんのお宅の子どもがポケモン好きで、伝説のポケモンにちなんで「スイクン」と呼ばれていた。目も青いし、スイだけもらって、「すい」になったそうだ。
夫婦揃って親バカに
4月には正式譲渡してもらって、すいくんは家族になった。スタッフが言っていた通り、すいくんは人が好きだった。
「ハウスメーカーの点検の人など、初めて会う人にもスリスリしちゃいます(笑)。仕事から帰るとドアの前でお出迎えしてくれます。おやつのときはお手もしてくれます。お気に入りのおもちゃは棒に虹色のヒモがついたおもちゃで、おもちゃ箱を開けると自分でそのおもちゃを取り出します。レイン棒と呼んでいます(笑)」
Kさんは、とにかく家に帰るのが毎日楽しみになったという。
「猫中心の生活になり毎日癒されています。夫婦そろって親バカになりました(笑)」