ペットロスを乗り越え、出会った黒猫が“人生”を変えた 猫の魅力をもっと知ってほしい…里親募集サイト運営者が始める「保護猫カフェ」

ふじかわ 陽子 ふじかわ 陽子

おそらく日本初!バリアフリーの猫カフェ

実は当初、経営する会社の事務所で保護猫活動をしようと考えていたんです。計画を練っていく中、たくさんの人に足を運んでもらえる猫カフェに変更。元はドッグカフェだった良い物件も大阪市天王寺区に見つかり、オープンに向け邁進します。

今まで猫と触れ合ってこれなかった人にも楽しんでもらうため、店内はバリアフリーに。店内用の車いすも用意します。どうしても車いすから降りられない方は、車輪の消毒を念入りに。

おそらく日本で初めてのバリアフリー猫カフェ。胸を弾ませる梅本さんでしたが、工務店からの見積書に目玉が飛び出します。想像以上にお金がかかるんです。手すりの設置や車いすも入れるトイレ、引き戸は外せない条件なのに…。

諦めきれない梅本さんは、クラウドファンディングで支援を呼びかけました。体が不自由でも、高齢者でも、小さいお子さんでも、楽しんでもらえる猫カフェのためにご協力くださいと。

梅本さんの思いに賛同してくださった方が支援をし、現時点で100万円以上の寄付が集まっています。それだけ期待値が高いのでしょう。

目標はショッピングモールに出店

梅本さんの今後の目標は、まずオープンする猫カフェで利益を上げること。この利益でTNRのサポートもしていきたいのだそう。第2の目標は、店舗の拡大。各地に保護猫カフェができれば、もっと多くの人が猫と親しめます。

最終的な目標は、ショッピングモールから誘致してもらうこと。すでに非譲渡型の猫カフェはあるので、いずれ保護猫カフェも誘致してもらえるのではないかと考えています。多くの人が行き交うショッピングモールなら、保護猫が新しい家族と出会えるきっかけも増えるでしょう。

もう1つ、梅本さんには夢があります。それは、収益のある保護猫活動の仕組みを作ること。収益があれば、保護猫活動により一層打ち込めます。そうすれば、収入の不安で尻込みしていた男性も保護猫活動に参加しやすくなるのではないでしょうか。

お金をいただくからこそ責任をもって

野良猫問題など社会課題を解決することでお金をもらうことに抵抗を持つ人は、日本では少なくありません。「お金をもらうのは忍びない」と考えてしまいます。しかし、梅本さんはこう考えるのだそう。

「お金をいただくからこそ、私は責任を持ちたいと思います」

プロとして社会課題を解決することが当たり前になるよう、梅本さんは行政や福祉団体とも提携し邁進を続けます。

そんな梅本さん念願の猫カフェ「ねことカフェ」は、今年10月ごろオープン予定です。お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいね。

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