幼稚園の通園には、地域柄があらわれます。都心のマンション密集地域では、徒歩かバスがほとんど。一方、車社会では親が自家用車で子どもを送迎するのがスタンダードの場合があります。自動車メーカーの工場が集まっている地域では、幼稚園の駐車場が車の見本市のようになっていることもあるようです。
子どもが通う幼稚園は車送迎が基本
E子さん(30代、専業主婦)の子ども(4歳)が通う幼稚園は、広大な駐車場があります。バス登園もできますが本数が少なく、長時間乗らなければなりません。そのため、親の送迎率は8割程度。しかも、ほとんどが自家用車での送迎で、E子さんも例外ではありません。
車送迎が多いので、駐車場にはいつも多種多様な車種が並んでいます。さまざまな国産車や外車がありバリエーションに富んでいます。普段の登園は学年によって登園時間が違うので駐車場には余裕がありますが、全学年が参加する行事の日の駐車場は大混雑です。
ママ友を必ず車種で示す人現る
E子さんには子どもの送迎時間が同じでよく顔を合わせるママ友のN美さん(30代、専業主婦)がいました。子どもを送った後に一緒にお茶をすることが増えて親しくなると、N美さんはママ友を乗っている車の車種で示すようになりました。
例えば、「BMWママ」「レクサスママ」など。また、人気の車種で被る場合は「白フィットママ」「青フィットママ」と、色情報を追加して識別します。E子さんはN美さんの記憶力に脱帽です。
子どもの趣味の影響で車に詳しくなってしまった!
E子さんが感心してしまうのは、N美さんの車の詳しさです。E子さんも平均よりは車種名を知っている方だと思いますが、N美さんは知識量が違います。あらゆるメーカーの車種の名前を知っていて、駐車場に停まっている車の名前を聞くと即答してくれるのです。
なぜそこまで詳しいのか聞くと、N美さんの息子が車大好きで、一緒にオモチャや本で遊んでいるうちに詳しくなってしまったとのこと。確かにN美さん宅へ親子で遊びに行ったとき、数えきれないくらいトミカがありました。
駐車場に軽自動車が多いのは地域柄?
N美さんの影響で、車への興味が強まったE子さん。幼稚園の駐車場には軽自動車が多い印象です。車社会で1人1台が当たり前の地域。軽自動車は小回りが利くし維持費も抑えられるので人気があるのかもしれません。
なお、子育て情報誌「あんふぁん」「ぎゅって」を発行する株式会社こどもりびんぐが2022年12月に公表した「軽自動車に関する調査」によると、ママ・パパが選ぶ「総合満足度が高い軽自動車」ランキングの第1位はホンダの「N-BOX」だったそうです。2位にはスズキの「スペーシア」、3位にダイハツの「タント」が入りました。
全国の子どもがいる504人(男性20.8%、女性79.2%)に聞いた調査で、軽自動車の所有経験は52.7%だったそう。購入時に最も重視したことの上位は「グレード・価格」「燃費の良さ」 「車内の広さ」 「外観デザイン・カラー」「乗り降りのしやすさ」と続きました。
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改めて車を見ると、デザインやカラーが多種多様で興味深い世界だと感じるE子さん。N美さんと親しくなればなるほど、車への探求心がくすぐられるのでした。
最初はママ友を車種で表すことを変わってると思っていましたが、だんだん自分も他人をつい車種で覚えるようになりました。
あなたは誰かに影響されて興味を持ったことや、つい他人をこれで認識してしまうといった特徴はありますか?