「今見ても色あせないデザイン」「かっこいい」ーーあるツイッターユーザーが公開したいすゞ自動車製の愛車がSNS上で絶賛されています。投稿したのは「たきシー」さん(@foooooooooochan)。自身のツイッターにいすゞの販売店でのこんなエピソードを公開しました。
若い店員「何ですかこの車」
俺「オタクの会社、昔は乗用車販売してたんですよ」
いすゞ自動車といえばトラックやバスのイメージが強いですが、2002年までは国内向けの乗用車を販売していました。
たきシーさんの愛車は、1999年発売の「ビークロス 175 LIMITED EDITION(いちななご リミテッドエディション)」。1997年に日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞を受賞した「ビークロス」の特別仕様車です。ビークロスの開発コード「175」にちなみ175台限定という希少な車。1999年をもって日本での販売を終了したため、若いスタッフが知らなかったのも無理はないでしょう。
小学生時代、親に頼んで車のカタログ入手
たきシーさんに話を聞きました。
──投稿が注目を集めています。
「こんなにも多くの人に見てもらうことになって驚いています。発売当時は誰もが『変な車』と言っており、僕が購入した5年前にも周囲の評判は最悪でした。しかし、日に日に『かっこいい』と言われることが増え、今回こんなにも多くの人に拡散していただき、ようやく時代が追いついたのかなと思って見ていました」
──購入したきっかけは。
「2018年5月に中古車として購入しました。小学生のころ、父親に連れて行かれたいすゞのディーラーでビークロスを見かけたことがきっかけです。父親も『変な車だ』と言っていましたが、僕には衝撃的な1台で、そこから車が好きになりました」
「親に頼んでビークロスのカタログをもらってきてもらったり、お小遣いでミニカーを買い集めたり、とにかくビークロスのグッズを集めました。最初の出会いから2年後、ビークロスが販売終了すると聞き、最後に親がもらってきてくれたカタログが今乗っている175リミテッドのカタログでした。オレンジのボディカラー、専用の内装、シリアルナンバーが刻まれたオーナメント、どれもがかっこよくてカタログがすり切れるまで読みあさりました」
──そんなに好きだったんですね。
「その後、僕が中学生になったころにはいすゞが乗用車製造から撤退してしまいました。免許を取ってからもビークロスは絶対にほしいと思っていた車で、10年以上探してようやく当時のカタログカラーの175リミテッドエディションに出会えました」
──実際に乗った感想は。
「レトロ感と未来感が融合したデザインです。過度な装飾もなくスッキリしていて、それでいて確かな存在感、オーラを放っているのはビークロスならではの魅力です。エンジンをかけるとデザインには似つかわしくないエンジン音がして、運転すると荒々しい加速をしていくところも好きです」
同車の開発者から「特別な車と思わずガンガン使い倒して欲しい」と言われたことがあり、それ以来、キャンプに行くときなどにも使っているそうです。また、知識豊富な整備士さんたちにも全幅の信頼を置いているといいます。
「乗用車の製造から撤退し20年以上も経つのに、すごくしっかり面倒を見てくれます。部品も出ますし、難しい整備をお願いしてもちゃんと応えてくれます。いすゞの車は維持が大変そうとよく言われますが、アフターサービスは他社と同等、それ以上と思っています。僕がお世話になっている販売店さんには、いすゞのビッグホーンが大好きな若い整備士さんが在籍しており、部品の相談なども親身になって対応してくれます」(たきシーさん)
◇
たきシーさんの投稿には7300以上の「いいね」が集まり、ユーザーからは「いすゞにこんな車あったんだ!」「いすゞの乗用車を知らない世代が社会に出る時代になったか」「ビークロスまじかっこいい」「憧れの車」「なつかしい」「昔欲しかった車です」「この車めっちゃ好きだった」「今でも通用するデザイン」「いすゞは時代を先取りしすぎていた」などのコメントが相次いでいます。