京都府内の漁業者が減少する中、府は8月、4日間漁業を体験するインターンシップを初めて開く。自宅からの交通費や宿泊費にも補助を出し、参加者の自己負担は「ほぼゼロ」になる太っ腹な企画だ。全国に通用するブランド力を誇る京都の漁業も高齢化と後継者難という悩みを抱えており、まずは漁業に興味関心を持ってもらうのが狙い。
他府県の人から「京都に海があったの?」との話もよく聞くが、京都には舞鶴カニや間人カニ、伊根ブリ、丹後とり貝といった全国に知られるブランド産品も多く、高値で取り引きされている。しかし、農林水産省が5年ごとに行う「漁業センサス」によると、2018年時点の府内の海面漁業の就業者は13年比34・7%減の928人で、1949年の統計開始以来過去最少となった。65歳以上の就業者が39・8%を占め、後継者がいる経営体は全体の9・7%にとどまった。インターンシップは担い手の減少と後継者不足に悩む漁業現場で働く人を増やす狙いがある。
対象はおおむね40歳未満の人で、高校生や大学生の応募も可能。日程は8月22~25日で、舞鶴市、宮津市、京丹後市、伊根町でアジの定置網漁業や養殖業などを体験する。
受け入れは3人程度を予定し、応募多数の場合は参加への意欲などを聞き取った上で府が審査する。自宅から開催場所までの交通費は全額支給されるが、関東や九州など遠方の場合は上限を設ける。宿泊が必要な人は府が用意した宿泊施設に泊まることができ、宿泊費の補助上限は1万円程度となる見込み。7月31日まで参加者を募集している。
府水産課は「京都の海で働いてみたい方はぜひ気軽に参加してほしい」と呼びかけている。申し込みは同課075(414)4992またはメールsuisan@pref.kyoto.lg.jpへ。