「ネット情報にうんざりしている人に使って欲しい」自動翻訳ツールとは!?テキストが思いもよらぬ文章に変換「腹抱えて笑った」

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

豊富なアイデアで多種多様な面白グッズやツールを生み出しているもにゃゐずみさん(@Monyaizumi)。この度、情報が氾濫する現代のインターネットに逆らう翻訳ツール「People翻訳」をリリースしました。

ネット上のテキストが爆笑文章に変換

一体、具体的にどのようなツールなのでしょう。

「(「People翻訳」は)サイト上のテキストを特定のルールにしたがって書き換えることでノイズを入れ、程よい情報濃度へ変換することで、ネットサーフィンを快適にします」(もにゃゐずみさん)

People翻訳は、“限界翻訳”や“ネッコ翻訳”など12種類の「魑魅魍魎の翻訳オプション」が入ったGoogle拡張機能であり、それらを選択することで、パソコン上に表示されているページの文章が自動翻訳されます。

もにゃゐずみさんのTwitterでは、実際にブラウザ上の文字が変換されていく様子を動画でも紹介。ツイートやDM、Yahoo!ニュースなどの文章がことごとく書き換わってゆく様子は爆笑必至です。ツイートでは、以下のように紹介しています。

「【知りたくない情報まで勝手に飛び込んでくる昨今のインターネットにどうぞ】
インターネットの"すべて"を最悪にするChrome拡張『People翻訳』をリリースしました
魑魅魍魎の人格を正規表現化したので、あらゆる文の「情報性」を薄めます
まともに読む気力がかなり失せる。こんな感じで動いてくれます」

もにゃゐずみさんは、今年4月に本ツールの「プロトタイプ版」を発表。当時から、かなりの反響があったといいます。そして、6月16日、万を持して発表された正式版も、リリースから24時間で利用者が1万人を突破する人気となっています。

同作品について告知したツイートにも絶賛の声が。

「すごすぎる...。これってどうやって変換してるんですか?」
「嘘と真実とその他諸々が混じり合うインターネットなんて元々こんなもんというのを思い出させる」
「猫語翻訳が最高でした」
「とりあえず上司のメールはこれでいいや」
「めっちゃ楽しいです」

また、「スマホやFirefoxなどでも使えるようにしてほしい」といった声もありましたが、現時点では本作品はパソコンのGoogle Chrome対応であり、スマートフォンや別のブラウザには原則対応していません。ですが、作者であるもにゃゐずみさんに聞いたところ、iPhone,MacなどのSafariでも動作する形式への対応も検討中だとのことです。

「People翻訳」を実際に使ってみた

そんな「People翻訳」、具体的にどんなツールなのか、筆者も実際に使用してみました。

同製品のウェブサイトには、ツールの紹介はもちろん、導入や使用方法など、分かりやすく紹介されていて、簡単に実装することができました。

ちなみに、12種類すべての翻訳を使用するためには、有料の“pro版”にアップグレードが必要なのですが、筆者が導入したのはアップグレード前の“free版”のため、使用できるのは“限界翻訳”や“ネッコ翻訳”の2種類のみ。しかし使ってみると、それでも面白さを十分に実感できました。

以前、筆者が担当させていただいた、もにゃゐずみさんのアイデアに関する記事、「100均皿が『何を盛っても三つ星料理になる皿』に変身 『普通に欲しい』『頭がバグりそう』アイデアに絶賛」のページを変換してみます。

限界翻訳すると…

「100均皿が『何を盛っても三つ星料理になる皿』に変身 『普通に欲しいンゴWW 『頭がバグりそう』アイデアに絶賛www」

何とも香ばしい文面のタイトルになりました。以降の記事の文章もオタク語に書き換わっています。

さらにネッコ翻訳では…

「ニャニャゴーンニャー。『ニャギャフベロハギャベバブジョハバニャニャニャーニャニャ…』ニャンー… 『ニャンーニャニャーー…』『ニャー…』ニャニャニャン…」

もはや人間の言葉ではありません(笑)。

一部、広告やバナー・画像上の文字などは変換されずに残っていました。

さらに今度は、筆者が日頃やりとりしている編集部の担当者とのビジネスチャットでの会話を変換してみます。

こちら、本記事の作成にあたって、編集担当者とのやりとりをトリミングしたもの。当記事の方針などについて話し合っており、いたって普通の業務連絡といった内容です。が、これを限界翻訳にかけてみると…。

 なんとも軽いノリに変化しました。さらに、ネッコ翻訳で変換してみると…。

人間には解読不能です。念のため、編集担当者の名前の部分は赤で消していますが、ここもネコ語になっているので、実質何と書いているのかは分かりません。

ただ、入力フォームに記載されている「ここにメッセージを入力」という部分は、変換されずに残っていました。しかし、その他はほとんどのテキストの変換を確認。

今回はfree版のため、使用できた言語は2つのみでしたが、それでもこのインパクト。pro版ではさらに多くの言語が使用できますので、いっそう楽しめるのは間違いないと思います。

また、ブラウザ上の文章をちゃんと読まなければならない場面では、オンになっている翻訳アイコンを再度クリックすることでオフにします。
筆者自身、仕事で目を通さなければならなかった文章がネコ語になっていた時は、「なんじゃこれ!」と、一瞬頭がパニックになってしまいました(笑)。しかし、そんな時は慌てず、翻訳機能をオフにすれば解決できます。思わぬ文面に笑えて適度にリラックスできる効果も期待できるかも…?

「インターネットにうんざりしている皆さんに使っていただきたい」

制作者であるもにゃゐずみさんに聞きました。

――今回の「People翻訳」を作ろうと思ったきっかけは?

もにゃゐずみさん:現在開発中の「ネッコサーフィン」がきっかけです。これは超簡略的に説明すると、「マウスを動かすほどブラウザ画面下にネコがあつまってきて、そのネコたちが事あるごとにカーソルに飛びかかってくる」というめちゃくちゃ邪魔な拡張ツールなのですが、この開発に取り組む中で、「意図しない過剰な情報負荷によるストレスには、逆に『邪魔される』ことでデトックス効果がある」と分析しました。「People翻訳」は、その発想をもとに生まれた、ネッコサーフィンの兄弟的立ち位置のツールです。一番最初に翻訳を動かしたときの衝撃は忘れられません。見慣れた数多のサイトたちが別の人格を持ち始める様子にお腹を抱えて笑ってしまいました。

――どのような方にどのような場面で活用して欲しいと思いますか?

もにゃゐずみさん:知りたくもない情報まで次々と目に飛び込んできてしまう、昨今のインターネットにうんざりしている皆さんに使っていただきたいです。People翻訳は、情報が氾濫する現代のインターネットに逆らう翻訳ツールです。サイト上のテキストを特定のルールにしたがって書き換えることでノイズを入れ、程よい情報濃度へ変換することで、ネットサーフィンを快適にします。

――オススメやお気に入りの翻訳は?

本当に良いなと思ったもの以外はすべて没にしてきたので選びきれませんが、強いて言うとすべてがどうでもよくなった時に、脳を空っぽにしてネットを見るときの「ウホホ翻訳」は格別です。

――正式リリースされたばかりではありますが、使用者からどのような感想が寄せられていますか?

もにゃゐずみさん:たくさんのご感想があり、喜びながら拝見していていますが、特に「導入してから文体ひとつで知らず知らずにうちにストレスを溜めて込んでいたことに気づいた」という感想は、今回のコンセプトをみなさんにも体験として共有できたと実感できて、嬉しかったです。

思わぬ抜け穴も?

「情報濃度をテキストを書き換えることで減らし、ネットを快適なものにする」ことをコンセプトに開発され、筆者自身もそのすごさを体感した「People翻訳」。

もにゃゐずみさん自身、個人サイト、ニュース記事、Twitter、YouTube字幕など、ほぼすべてのサイトで翻訳機能が効くように開発をされたそうです。

しかし、実際に運用してみると思わぬ抜け穴が存在していることが分かりました。

なんと、俳優の阿部寛さんのオフィシャルホームページには、当機能の翻訳が適用されないことが、リリース後フォロワーさんに口コミにより判明したといいます。

「あのホームページに関してだけはインターネット保護区と見なし、このまま対応しないことに決まりました」(もにゃゐずみさん)

数々の有名作品に出演し、ありありとその存在感を示されている阿部寛さん。やはり、持っている資質の違いが、こんなところにも現れたということでしょうか――?

ちなみに、まいどなニュースのページ内では、ユーザーのコメント欄の文字はなぜか変換されませんでした。

上記のような多少の“例外”はあるものの、ほとんどのサイトの翻訳は可能となっており、製品の完成度が高いことに違いはありませんね。むしろ、その完成度の高さゆえ、他にどんな抜け穴があるのか、調べてみるのも楽しいかもしれません…?

  ◇  ◇

People翻訳の導入・使用は、公式サイトに詳しいガイドが載っており、簡単に行うことができます。また、すべての翻訳機能を使うためには、pro版へのアップグレードが必要ですが、価格は500円と安価であり、月額などの追加料金も必要ありません。さらに、アップグレードしたGoogleアカウントを用いれば、他のパソコンでも使用することができます。利用者にも配慮した仕様であるところも嬉しいですね。

また、もにゃゐずみさんはPeople翻訳の原型となった「ネッコサーフィン」もリリースに向けて鋭意製作中とのことです。

「People翻訳以上にリリースまでの障壁が多いプロジェクトですが、日々着々と完成に近づいております。ぜひこちらもあわせてご注目いただけると幸いです」(もにゃゐずみさん)

なお、「ネッコサーフィン」もリリースの際には、ご本人のTwitterで告知を行うとのこと。もにゃゐずみさんの今後の活動からも目が離せませんね!

■もにゃゐずみさんのTwitterはこちら
 →https://twitter.com/Monyaizumi

■もにゃゐずみさんのサブ垢(もにゃ.txt)はこちら
 →https://twitter.com/Monya_sub

■「People翻訳」の公式サイトはこちら
 →https://monyaizumi.com/people-translation/

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