時間のないときなどに便利で、あっという間に炊きたて同様のおいしいごはんが食べられるパックごはん。温め方には電子レンジと湯せんの2通りあるが、はたしてどちらの方がおいしいのだろうか。
電子レンジは500W~600Wで2分(1000Wならわずか1分半!)に対し、湯せんであればなんと15分以上かかる。手間ひまかけた方がおいしく仕上がる気がするのだが…。
1988(昭和63)年に、世界初の無菌包装米飯(パックごはん)として「サトウのごはん」を発売した「サトウ食品」の担当者に、おすすめの温め方や注意点をうかがった。
社内でも圧倒的に人気なのは…
――電子レンジか湯せん、どちらがおすすめでしょうか?
「当社では電子レンジでの温めを推奨しています。短時間(2分間)で均一に加熱できるためです。社内でも圧倒的に電子レンジ派が多いですね。すぐに食べられる電子レンジに対して、湯せんは15分以上の加熱を推奨しているため、手間と時間を考えると、この結果になると考えます」
――温め方が異なると、味わいや食感に違いは出ますか?
「温め方によって味や食感に差はございません。ただ、電子レンジの方がごはんに均一に熱が伝わるため、ふっくらとしたごはんをより感じられると思います」
――そうなんですね、意外でした。それぞれの温め方のメリット・デメリットを教えて下さい
「電子レンジは2分温めるだけですぐ食べられますが、停電時は使用できません。湯せんは、災害時(停電・断水時)や、キャンプなどのアウトドアシーンでも活用できます。ただし温めに15分以上かかるうえ、「カセットコンロ・水・鍋」または、「防災グッズ(発熱体と加熱袋セット)」が必要です」
――温め方の裏技などあれば教えてください
「温めた後に、上蓋を下にして置き1分ほど蒸らすと水分が均一になり、より美味しくお召し上がりいただけます」
――パックごはんの温めで注意点があれば教えてください
「商品パッケージにも記載しておりますが、加熱直後は熱いので、やけどにご注意ください。またオーブントースターでは加熱できません」
実際に検証してみた
温め方が異なると実際どうなのか。気になったので、サトウ食品の看板商品である「新潟県産コシヒカリ」で検証してみた。
確かに、ほんのりと上品な甘みを感じるごはんそのものの味わいは同じだが、食感に違いを感じた。電子レンジで温めたほうがふっくらもっちりと仕上がり、湯せんよりも炊きたての風味が楽しめたのだ。また、湯せんは15分以上加熱したにも関わらず、電子レンジで温めたほうがアツアツになるのも印象的だった。ただしあくまで個人の感想なので、気になる方はぜひご自身で確かめてみてほしい。
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炊きたて同様のおいしいごはんがすぐ食べられるパックごはん。災害時やアウトドアなど調理器具がないときにも便利だ。常温で長期保存が可能なためストックしているという家庭も多いだろう。
「サトウのごはん」は、昔ながらの「はじめチョロチョロなかパッパ」の火加減を先進技術で再現した“厚釜ガス直火炊き“を採用し、1食ずつ分かれた“厚釜”にお米と水を入れて丁寧にふっくら炊き上げることで、甘みと粘りのあるごはんを実現している。
近年は、全国各地の米どころで栽培されたお米を厳選して使用。看板商品の「新潟県産コシヒカリ」のほかにも、「魚沼産こしひかり」「新之助」などの銘柄米や、健康系(スーパー大麦、もち麦、発芽玄米入り)も発売している。手軽なパックごはんで好みのお米を探してみるのも楽しいかもしれない。
■サトウ食品公式HP https://www.satosyokuhin.co.jp/