「広島飛び越えてる!」北九州発祥「資さんうどん」 が岡山進出 九州・山口以外は初出店「なぜ岡山に?」社長に直撃した

山陽新聞社 山陽新聞社

 北九州発祥のうどんチェーン「資(すけ)さんうどん」が8月、九州・山口県西部以外では初となる店舗を岡山市北区大元上町にオープンする。年間1500万人が訪れる人気チェーン店だが、なぜ“地元”から離れた岡山に店を出すことを決めたのだろうか。岡山でのPRを兼ねた期間限定営業に合わせて来岡した佐藤崇史社長に話を聞いた。

北九州のソウルフード

 サバ節や昆布、シイタケを使ったうま味たっぷりのだしに、もっちりとしていながらコシもあるめんが特徴の資さんうどん。「北九州のソウルフード」としても知られている。1976年、北九州市戸畑区で創業した。店名は創業者の大西章資(しょうじ)氏の一字を取った。うどんやそば、丼のほか、あんこたっぷりのぼた餅も有名だ。長崎を除く九州6県と山口県西部で計61店を運営。今夏、岡山、山口県中東部に計3店を開店する。

 「岡山初出店」が、ネット上でざわついたのは今年5月だ。同社が公式ツイッターに投稿したところ、「岡山に引っ越してきて、資さんうどんが恋しくなっていました」「広島飛び越えてるw」などと歓迎と期待のコメントが相次いだ。佐藤社長は広島を飛ばしたわけではないとした上で、「より多くの方に味とサービスを広めるため、他地域への店舗拡大を計画し、物件を探していた。岡山でロードサイドのいい場所に巡り合え、出店を決めた」と経緯を説明する。

新たなチャレンジ

 創業以来、北九州エリアを中心に営業を続けていたが、大きな転機になったのは2010年の福岡都市圏への出店だ。柔らかいめんと薄口のだしで親しまれる博多うどんのファンからは「めんが硬い」「味が濃すぎる」などの意見があり、博多の味に寄せようかという話も出た。

 しかし、「北九州の味」にこだわり続け、徐々に人気を獲得。5年ほど前からは福岡県以外の九州地方にも進出した。佐藤社長は岡山出店を「新たなチャレンジ」と位置づけ、「社運をかけて福岡市近郊に初進出した時と同じくらい気合を入れている。今後の店舗拡大の試金石になる」と強調する。

 期間限定営業の初日となった7日は、午後2時ごろには完売する人気ぶり。開店前に並んでいた「資さんうどん」のロゴマークが入ったTシャツを着た会社員男性(54)=岡山市南区=は「実家が北九州で、帰省した時によく食べていたが、まさか岡山で食べられるとは。オープン時にも駆け付けたい」と笑顔を見せていた。

13日まで限定営業

 限定営業は天満屋岡山店(岡山市北区表町)地階の「晴れの国キッチン」で、13日まで(午前10時〜午後7時、最終日は同5時まで)。人気のカツとじ丼、肉ごぼ天うどん、ぼた餅をミニサイズで提供する「しあわせセット」(880円)や日替わりメニューを販売する。なくなり次第終了。ツイッター(https://twitter.com/sukesan1976)でも知らせる。

 岡山大元店は8月11日にオープンする。佐藤社長は「みなさんに愛してもらえるかという心配と、おいしいと思ってもらえる人が増えるのが楽しみで半々」と話し、「どの場所でも変わらぬおいしさを届けたい」と力を込めた。

いいとこどり

 実店舗では、天かすととろろ昆布が取り放題なことも人気の理由の一つ。創業者が香川県でうどん修業したため、「讃岐と博多のいいとこどり」(佐藤社長)のめんは、讃岐うどんに慣れた岡山県人にとって、新食感のはず。一度味わってみては。

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