どうしてこんなことに ハシゴの隙間にはまってしまった犬 地元の人たちや警察消防が連携して救った命

松田 義人 松田 義人

2023年5月、犬保護団体・restartdog LIEN(以下、リアン)の関係者のもとに、知り合いから1枚の写真が送られてきました。それが上のもので、川沿いの壁に設置されたハシゴにワンコがハマっているもの。

このワンコ、どうしてハマってしまったのでしょうか。川の水を飲もうとしたのであれば、頭から落ちるはずですし、左前足は川側に沿って出ているし、その状況を想像することができませんが、何より早く救い出さないといけません。

このワンコを発見した地元の心ある人が、警察・消防に連絡。皆で連携し救い出すことにしました。

ハシゴに足がひっかかり、なかなか引き上げられない

見た目以上にワンコの引き上げは難しいものでした。足がひっかかっているため、ワンコが痛がりなかなか引き上げることができません。ワンコを撫でながら、少しずつ少しずつ引き上げ、なんとか救い出すことに成功しました。

胸を撫で下ろす地元の人たちでしたが、引き上げた後のワンコはどうなってしまうのでしょうか。現実的にはすぐに保健所に収容され、運がよければ飼い主と再会できるかもしれません。当のワンコは引き上げた後は片足を引きながら歩いています。もしかしたら骨折しているかもしれません。

この状態で、そのまま保健所に収容されることだけは避けたいと、リアンスタッフはこのワンコを保護することに決め、すぐに動物病院に連れていくことにしました。

助けてくれた人間にも「ウーッ!」

動物病院の獣医さんによれば、骨折はなく、片足を引きながら歩いているのは、もともとの持病のパテラ(膝蓋骨に脱臼が起きた状態)と、ハシゴにハマった際にパニックを起こして暴れたからではないかというものでした。

リアンのスタッフはこの診断をひと安心し「良かったねー」とワンコに声をかけましたが、当のワンコは「ウーッ!」と唸ってきました。まだ人間への警戒心が解けないのか、それともハシゴにハマったトラウマでイライラしているのかはわかりませんが、スタッフはそれでも動ぜず「なんだよー、助けてあげたのに。でも大丈夫。これからお世話してあげるから、いつか心を開いてね。まずはお手柔らかにお願いね!」と明るく声をかけました。

いつか人間を信頼してくれることを信じて

スタッフの家に連れ帰っても、噛みついてこようとしたり、唸ってくるワンコでしたが、それでもスタッフは人間に心を開いてくれるよう、これからお世話していくと言います。そして、いつか本当にこのワンコが人間を信頼してくれるようになった際には、新しい里親さんを探し、幸せな犬生へと繋いでいきたいとも言います。

川沿いのハシゴに挟まった災難から、心ある人たちに救い出されたワンコは、いつかきっとこれまでのことを理解してくれ、明るい笑顔を見せてくれることでしょう。

犬保護団体・restartdog LIEN ・公式ブログ
https://ameblo.jp/liendog/

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