日本財団(東京都港区)は2023年3月、全国の18~69歳の女性1万人を対象に、「少子化と子育て」(少子化を背景とした女性の子育て意識)をテーマに意識調査を行い、このほど結果を公表しました。それによると、約4割の人が何の制約もない場合の理想の子ども数は「2人」と考えていることが分かりました。また、2割の人は「子どもは持ちたくない」と答えたそうです。
最初に、「仮に何の制約もなく、自由に子どもを持つことができるとしたら、理想の子どもの数は何人ですか」と聞いたところ、「2人」が39.9%と最も多く、次に多かったのが「3人」で24.5%となり、以下、「子どもは持ちたくない」(20.5%)、「1人」(9.1%)、「4人以上」(6.1%)と続きました。
次に、「親はいつまで子どもの成長に責任を持つべきだと思いますか」と聞いたところ、「成人するまで」が37.8%で最多となり、以下、「独り立ちし、生計が別になるまで」(16.0%)、「就職するまで」(15.8%)、「分からない」(13.1%)、「義務教育が終わるまで」(10.1%)、「一生」(7.3%)となりました。
続いて、「子どもの将来を考える上で、日本社会にどんな不安を持ちますか」と聞いたところ、「財政悪化による医療・年金など国の基幹システムの崩壊」(41.8%)、「人口減少による労働力の低下」(32.3%)、「地震など自然災害の激甚化」(27.5%)、「食料・エネルギー資源不足の深刻化」(23.1%)、「経済競争力の低下」(22.8%)などに回答が集まりました。
また、「こども家庭庁に特に期待することは何ですか」と聞いたところ、「子どもの貧困の改善」(20.3%)、「少子化の改善」(18.4%)、「児童虐待対策」(16.9%)、「ヤングケアラー支援」(16.6%)、「いじめ防止」(15.0%)などが上位に挙がり、「特に期待することはない・わからない」は23.3%となりました。
さらに、「『子ども関連予算』の増額のためには、どのような方法で財源を確保したらよいと思いますか。それぞれの対策に対するお考えをお聞かせください」と聞いたところ、「反対」の意見が多かったのは「消費税率の引き上げ」(74.6%)、「医療費の本人負担増」(67.4%)、「所得税率の引き上げ」(67.0%)となりました。一方、「賛成」の意見が多かったのは「途上国などに対する支援の減額」(46.5%)、「法人税率の引き上げ」(44.6%)、「防衛費の減額」(39.5%)という結果になりました。
また、「少子化解消のために国や自治体、企業にどのような対策を求めますか」と聞いたところ、「賃金上昇(アップ)」が33.4%と最も多く、以下、「教育費の無料化・支援の拡大」(30.0%)、「出産・子育てに対する公的支援の強化」(28.2%)、「雇用・勤務形態の改善」(23.7%)などが上位に挙がりました。
最後に、「婚外子の権利を認めることで、日本の出生率の上昇に繋がると思いますか」と聞いたところ、「わからない」が45.2%、「そう思う」が30.9%、「そう思わない」が23.9%となりました。