段ボールに捨てられた子猫 か細い鳴き声に「生きてる!」 おでこをぺろぺろする甘えん坊に

渡辺 陽 渡辺 陽

さんたちゃん(12歳・メス)は、ビニールハウスの段ボールの中にいた。ハウスの持ち主はさんたちゃんを見つけたが、飼えないのでそのままにしておいた。「知らない間にどこかに行ってほしい」と思ったそうだ。

群馬県在住のKさんは、たまたまその日、ハウスの持ち主の友人のところに遊びに行った。二人で外出して帰ってくると、まださんたちゃんは段ボールの中にいた。

「もう動く力もない感じで、思わず抱き上げました。小さな声で『にゃっ』と鳴いたので、まだ生きている!と思い、動物病院に連れて行きました。『あと少し遅かったら亡くなっていたかも』と思い、二人で泣きました」

さんたちゃんは生後3ヶ月くらい。脱水症状や低体温、栄養失調のため入院することになった。真菌がひどく、顔や頭の毛がほとんど抜けてしまっていて、見た目は猫ではないようだった。

「先生に『この子、どうするの』と言われ、友人は飼えないので私が飼うことにしました。元気になって退院した日が12月24日だったので『さんた』と名付けました」

シニアになっても甘えん坊

Kさんに迎えられたさんたちゃん。その後、6年ほど一人っ子を満喫していた。

「そのせいかさんたは自分は人間だと思っています。とにかく猫が嫌いで、近くに寄ってこられると唸って離れます。我が家には他に5匹の猫がいますが、さんたはみんな嫌いみたいです」

さんたちゃんはストレスからかわざとトイレを失敗する。自分のベッドやKさんのベッドでもオシッコをする。本人も悪いことだと分かっているようで、絶対にKさんの顔を見ない。「オシッコしちゃったの?」と言うと、背中を向ける。Kさんはそんなさんたちゃんを絶対に叱らない。

眠たくなると鳴いて訴え、「寝るよ〜」と言うと部屋まで一緒についてくる。ただ、自分の場所に他の子がいるとウロウロして、追い出すわけでもなくそこが空くのを待っているという。キャットタワーもお気に入りの場所があり、そこに乗っておやつをねだったり、撫でてほしいと訴えるそうだ。

「可愛いんですよね。おでこをぺろぺろしてくれますが、長いから痛いんです(笑)しばらくマッサージをして離れようとすると、左手で私を捕まえます」

Kさんは、さんたちゃんが最近少し痩せてきたので心配しているそうだ。

「大きな病気はしたことがないのですが、目にシミのようなものができて病院に通っています。老化でもできるみたいです。このまま変わりなく過ごせるといいなと思います」

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