「失礼極まりないですヨ」
フリープログラマーの高岡義晴さん(@freeman_HAL)は怒りのコメントとともに、赤い封筒の写真をTwitterに投稿、その奇抜なデザインが話題となりました。
全面真っ赤な色の封筒に、太文字の明朝体で黒くでかでかと「最終警告」の文字。その下にも「あなたは処分対象者です」などと、穏やかではない文言が書かれています。
人気アニメ「エヴァンゲリオンシリーズ」を彷彿とさせるデザイン――。
なぜこんなエヴァっぽい封筒が…。高岡さんは、ポストにこんなドギツイ見た目のものが入っていたことに驚き、一瞬詐欺かスパムではないかとも疑ったといいます。ですが、実はこの封筒「EDOGAWA CITY」とも書かれており、公的なものでした。
突然の警告に驚いた高岡さんでしたが…。
実は誤って投函されていました
突然届いた勧告。高岡さんは、これが郵便物ではなくポスティングだったのと、詐欺等の疑念があったので少し悩んだといいます。
「開けなかったら捨てていたと思います」(高岡さん)
ですが、とりあえず開封してみることに。ここでこの封書が、住民税未納について知らせる公式な「催告文書」であることを知ります。
しかし、ここに書かれていた宛名(社名)は、高岡さんとは関係ないどころか、聞いたことすらないものでした。さらに、その会社についてネット検索をしてみたところ、所在地自体もまったく違う、誤配だったことが発覚。
「こんな危険なもの間違えて入れないで欲しいです( *`ω´)」
と、高岡さんは怒りのツイート。確かにあってはならないミスですね。
ツイートのリプ欄にもたくさんの反響がありました。
「え…これ間違えられて入れられてたんですか…心臓に悪すぎる」
「イタズラと間違えそうですね、、、間違えて処分されたらたまったもんじゃない!」
「これで、本当の受け取り主が『受け取ってません』ってなった時どうなるんだろ……」
「かなり重要案件なのに住所を間違えるとは、どんだけ雑な仕事してるんでしょうね」
「ドコからどう見てもエヴァ系」
「こんなエヴァみたいな雰囲気の紙で来るんですね」
ちなみに、ツイートには「税務署」と記載されていますが、こちらは高岡さんの勘違いで、封筒は「区役所」によって投函されたものでした。
ミスはなぜ起こったのか?
今回の誤投函は、届けられた側にも失礼極まりない話であり、本来の送り先の方のプライバシーの漏洩にもつながります。許されるようなことではないにもかかわらず、なぜこのような初歩的なミスが起こってしまったのでしょうか?
高岡さんは、後日区役所にこのことを連絡。状況について説明し、先方より事情を聞いてきました。
誤投函の理由は、担当者の確認ミスによるものだったとのことです。
担当職員が直接相手先に訪問しようとしましたが、リストに書かれている住所を見間違えて、高岡さんのところに来てしまったとのこと。その際、高岡さんが不在だったため、封筒をポストに投函したのでした。
役所側は本件について高岡さんに度重なる謝罪をし、「今後は2人での訪問・ダブルチェックを徹底し再発防止に努めること」「本来届くべき該当会社に対する猶予期限の延長と再告知」についても約束してくれたとのことです。
本件の詳細については、江戸川区のホームページ内でも『住民税「催告文書」の誤投函について』という題目で紹介されています。
高岡さんにお話を聞きました。
――区役所側の対応はどのようなものでしたか?
高岡さん:迅速丁寧で真摯な対応をしていただきました。誤投函した担当者ではなく、全て役付きの方々の対応でしたが、そこに不満はありません。
――役所の方は、再発防止についても約束をしてくれたとのことですが、高岡さん自身は先方にどのような心がけや対策を望まれますか?
高岡さん:見間違いなどのヒューマンエラーは、ある程度はしょうがないとは思っています。ただ、届けられた封筒については、若干分かり辛かったのと偽物感があったので、ポスティングであっても送り先住所の記載や、「区役所」の表記をして欲しいと思いました。また、封筒のデザインに関しても賛否出ると思いますので、再考の必要があるのではと思います。
――ほかに、高岡さんからメッセージがありましたらお願いいたします。
高岡さん:私のツイッターアカウントは、フォロワーさん向けの趣味系・日常系ですので、おちゃらけた文章を不快に思われた方もいらっしゃると思いますが、そこはご了承いただけたらと思います。今回のツイートも、役所に対しての糾弾や晒しが目的で行ったものではありませんが、結果的にそのようなことになってしまったので、申し訳ない気持ちもあります。
◇ ◇
情報漏洩等の問題が度々話題になる昨今。今回の高岡さんのツイートが、当該の区役所のみならず、すべての公的機関が管理体制を見直すきっかけになることを、願わずにはいられません。
高岡さんはフリープログラマーとして、家庭用ゲームやパチスロ等の制作をされており、これまでにも「コリューン」や「PC電人」といったゲームを手掛けています。
■高岡義晴さんのTwitterはこちら→https://twitter.com/freeman_HAL