病欠の小6息子を留守番させ出勤→「ダメ!帰って!」の声に母感動 以前の職場は「寝てるだけ、なぜ休むの」と許されず…こんなに対応が違うのか

太田 真弓 太田 真弓

 「先週息子が嘔吐で学校を休んでいたの。これまでの職場は休む事に厳しくて。なので息子の『寝てるからいいよ。』と言う言葉にごめん。と思いながら出勤したの。

ちょっとした話の流れで息子が体調悪くて休んで留守番してる事をはなしたの。
『は?ダメだよ!6年生だよね。帰って!』」

病欠の息子を一人留守番をさせつつ出勤したぴよ☆さん(@piyo_piyo_2525)のエピソードツイートが話題に。そのときの様子や、職場環境について話を聞きました。

その発言の後には、職場のみなさんが物凄い勢いでぴよ☆さんの業務の算段をつけ、かけつけてくれた園長先生からも「早く帰ってあげてよ。無理しなくていいから」と声をかけられたそう。泣きそうになりながら丁寧に御礼を伝えて家に帰ると、息子さんからは「帰って来てくれたんだ。ありがとう。寂しかった。凄く良い職場で良かった」との言葉が。

「子供の気持ちってそうだよね。
前の職場では熱があったって寝てるだけだし親がいたって同じでしょ?どうして休むの?もう高学年だから大丈夫じゃないの?って言われてね...。

働く。ってそういう事なんだ。って思ってたけど違った。明日からまた頑張ります」 と、職場環境の違いにあらためて気づきつつ、気持ちを新たにしたエピソードを紹介しています。ぴよ☆さんに詳しくお話を伺いました。

職場でこんな優しい言葉を貰った事がなかった

――息子さんの嘔吐、大変でしたね。

こども園に勤務しているのですが、実はこの前日も息子嘔吐のためお休みをいただいていました。「ごめんね。大丈夫かな?もし食べられそうだったらお粥出来てるからレンジで温めて食べてね」と冷蔵庫にお粥を置き、「寝てるから大丈夫だよ」との息子の言葉に後ろ髪を引かれながら出かけました。

――1日では回復せずに、2日連続欠勤することになったそうですが…気を使いますよね。そのときの職場の反応は?

出勤すると、前日のお休みの流れから「もう良くなったの?」と聞かれて。「いえ。まだちょっと。でも寝てるだけですし」という会話からの「帰って!」となりました。出勤してほんの1時間程で帰る事になりました。

――心強いですね! 前職では、お子さんの急病時でも出勤を強いられる環境であったとお見受けしました。

今回ツイートしたのはこれまでの職場でこのような優しい言葉を貰った事がなかったからです。「寝かせとけば大丈夫でしょ?」といった感じだったり、休んでしまった場合、休んだ後の対応が「はいはい」という感じだったりでいつも申し訳ない気持ちでした。

――帰宅後の息子さんの言葉から息子さんの安堵が伝わってきました。

うわぁーそうだよね、ごめんね、寂しかったね、本当にごめんね…という気持ちでした。その後はおかげ様で順調に回復に向かいました。

病欠の子とその親の思い、働く人全てに伝わって

――次の出勤時、職場の方から何かお声がけなどは?

次の出勤時も同様に「もう良くなった??」「無理しなくていいからね」と、何人もの方からお言葉を頂きました。

――スタッフ同士で補い合い、柔軟に対応し合える環境が素敵です。

このことがあったのが現在の職場に就いて約2週間でのことだったのですが、以降も伸び伸びと仕事をさせていただいています。毎日仕事に行って楽しい気持ちですし、職場の風通しがとても良いので色々な相談をしたり意見を言ったりしやすく、本当に幸せに仕事をさせていただいています。

――当該ツイートにたくさん反響が寄せられています。

いつの間にか色々な方のお目に留まり読んでいただき、共感をいただいた事をとても嬉しく思います。子どもを育てながら仕事をする事の難しさは皆さん感じられている事だと思います。

「熱が出た」「怪我をした」等、保護者の方にお電話を差し上げる事もあります。「あぁ……」と、困ったなという感じの声を聞くと「そうですよね…」と思う事が多いです。

皆さんそんな気持ちで日々のお仕事を頑張っておられる。そんな時にすぐに助けてくれる方が周りに居たらどんなに助かるだろうか。理解ある上司ばかりならどんなに良いか。親御さんの気持ち、体調が悪くて心細い子どもの気持ち、働く人全てに伝われば良いのに…。ツイートした時はほんの軽い気持ちでしたが、たくさんのリプライや共感の声をいただき、今は本当にそう思います。

◇      ◇

今回のツイートには、
「高熱で寝ていた息子が窓から飛び降りそうになったことがあります。一人にしたらいけません。優しい職場で良かったです」
「うちの職場は何が何でも休むと攻撃される。病院は行けて仕事来れないってなに?と言われる」
「このエピソードが当たり前になるような社会にしていきたい気持ちです」
「子どもの用事や急病、私の健診などで連絡したら、誰かが代わってくれます。その代わりこちらもすぐ動ける時は動くようにしています」
「保育園の子供が熱を出して早退してきても、迎えにいって仕事に戻ってこいと言われる職場で働いています。病気の時くらいそばについていてあげたかったなぁ」
など、同じく働く親御さんたちからの経験談や職場環境の吐露、ぴよさんや息子さんの気持ちに寄り添うリプライが続々と届いています。 

年齢的に成長したとはいえ、病欠の子どもを家に残す罪悪感と職場への責任感で葛藤しながら出勤しなければならない現実。「悪化していないか」「熱は上がっていないか」など仕事中も心配は尽きません。ぴよ☆さんの職場の先生方の頼もしく優しい言葉と、息子さんが自分の気持ちを素直に話せ、職場の良さを理解してくれていたことが嬉しいですね。

もちろん職場にもマンパワーの問題をはじめ、スケジュールやアポイントなどなかなか代われない様々な都合や事情があって然り。「子を持つ親誰もが働きやすい環境」とは声高に言えない日本の社会ではありますが、少しずつでも親子を取り巻く環境への理解が進み、改善されていけば良いなと思います。

■ぴよ☆さんTwitter https://twitter.com/piyo_piyo_2525

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