「キタ」と「ミナミ」結ぶ大阪メトロ・四つ橋線と御堂筋線、乗るならどっち? 所要時間や空き具合なら前者に軍配

新田 浩之 新田 浩之

先日、久しぶりに大阪メトロ四つ橋線に乗りました。気のせいか、「御堂筋線と比べてずいぶん速いなあ」という印象を持ちました。筆者の印象は単なる「個人の感想」なのか、それとも事実なのか、気になったので調べてみました。

四つ橋線と御堂筋線、どちらが速いの?

四つ橋線は西梅田駅と住之江公園駅を結ぶ11.4キロの路線です。西梅田~大国町間は御堂筋線と並行し、大国町駅で御堂筋線に接続。しかも、同一ホームでの乗換えが可能です。

四つ橋線での所要時間は西梅田~難波間が7分、西梅田~大国町間が9分です。一方、御堂筋線は梅田~難波間が8分、梅田~大国町間が11分となり、わずかながら所要時間は四つ橋線に軍配が上がります。

西梅田・梅田~大国町間は四つ橋線・御堂筋線ともに6駅です。所要時間の差の要因として考えられるのが線形です。四つ橋線は西梅田駅から四ツ橋駅まで四つ橋筋に沿って一直線に進みます。難波駅付近で緩やかにカーブし、国道26号線の真下をまっすぐ進み、大国町駅に至ります。

一方、御堂筋線は梅田~淀屋橋間にて大きくカーブします。「電車がカーブします。ご注意ください」という車内アナウンスは御堂筋線の名物です。また難波駅構内にもカーブがあります。

また、混雑率の違いも考えられます。最混雑区間のピーク1時間における混雑率は四つ橋線よりも御堂筋線の方が混雑し、混雑率約50%(下り)の差があります。四つ橋線は6両編成なのに対し、御堂筋線は10両編成です。

乗降客が多いと、扉扱いに時間を要することは十分に考えれます。

なぜ四つ橋線は空いてるのか?

もともと、四つ橋線は御堂筋線の支線的な存在で、1942年に大国町~花園町間が開通したのがはじまりです。大阪では2番目、全国でも3番目に古い路線なのです。

戦後になると御堂筋線の混雑が頂点に達すことに。また地下鉄と共に公共交通を担った市電がモータリゼーションの影響により、限界を迎えていました。そこで、御堂筋線のバイパス路線として四つ橋線を延伸することになり、1965年に大国町~西梅田間が開通しました。

ところが、混雑率からわかるとおり、四つ橋線はバイパス線としては少し寂しい現状。せっかく所要時間が短いのにも、かかわらずです。

理由として挙げられることは御堂筋の方が賑わっている点です。オフィスビルだけでなく、大丸心斎橋店などの商業施設が並んでいます。もともとは堺筋や四つ橋筋のほうがメインルートでしたが、整備により現在では御堂筋が名実共に大阪のメインストリートになっています。

また、西梅田駅の位置も理由のひとつです。西梅田駅はJR東西線北新地駅、阪神大阪梅田駅とは近いですが、JR大阪駅や阪急大阪梅田駅からは少々離れています。阪急大阪梅田駅から西梅田駅へは徒歩約10分を要します。

阪急大阪梅田駅の乗降客数は1日約35万人、阪神大阪梅田駅は1日約14万人の利用なので、この差も大きいように思われます。

さらに、四つ橋線難波駅はJR難波駅と御堂筋線難波駅の間にあり、南海難波駅へは徒歩5〜10分を要します。このように私鉄ターミナルとの接続具合も四つ橋線にとっては不利な材料です。

とはいえ、四つ橋線は西梅田駅始発ですから、梅田から確実に座れます。また、大阪メトロでは定期券による御堂筋線と四つ橋線の相互利用が認められています。

たとえば、御堂筋線心斎橋駅だけでなく四つ橋線四ツ橋駅も利用できる、という具合です。「御堂筋線の混雑はちょっと」と思っている方は四つ橋線を賢く利用されてはいかがでしょうか。

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