ここは日本? ウユニ塩湖の夕陽と見まごう絶景も…「神々の国」松江 ガイドブックに載らない穴場スポットがすごい

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 松江観光協会が、ガイドブックに載っていない松江市内の観光地を紹介するウェブサイトを開設した。市民でも見落としがちだという穴場スポットとはどんなものなのか、実際にサイトを利用した。

 サイトはスマートフォンから閲覧できる「SWIPE TRIP(スワイプ トリップ)」。広告・プロモーション業の「Birdman(バードマン)」(東京都)の協力を得て、2022年12月に開設した。

 松江市内の風景や施設の写真が数枚表示され、左右にスワイプして好き嫌いを選択することで傾向を分析。最終的に、傾向に沿ったお薦めの写真が50枚程度表示される。写真は海、神社、神秘的など11種類に分けられ、全部で約100枚あるという。 

 穴場はもちろん、有名スポットも

 穴場が約100カ所もあるとなると、一体どんな景色が出てくるのか気になる。興味を引かれ、早速サイトを利用してみた。

 夕日や海岸の写真が順に数枚表示され、好みなら右、そうでもなければ左にスワイプする。どれも好みだったので全て右スワイプすると、お薦めのスポット写真が約50枚表示された。

 最初に目に留まったのは「宍道湖の夕日」。湖面に夕日と雲が鏡のように映った絶景だ。宍道湖の夕日は「日本夕陽百選」になるほどの有名スポット。言わずと知れた観光地も外しておらず、島根のことをあまり知らない人でもちゃんと代表的な場所を知れるようになっている。

 松江観光協会のホームページでは毎日の日没時間のほか、夕日の映え具合を0~100数字で表した「夕日指数」を掲載し、大々的にPRしている。島根の観光地を知る入り口としてはちょうど良さそう。

 関連で出てきた中にあったのは「宍道湖サンセットカフェ」。宍道湖沿いにある島根県立美術館(松江市袖師町)の西側、岸公園にあり、夕日指数50以上という夕日がきれいな時だけオープンするという変わったカフェだ。夕日をモチーフにした飲み物が楽しめ、宍道湖の夕日がより深く記憶に残りそう。

 独立した観光スポットだけでなく、近場も併せて表示されると、観光客が一度に巡ることができて便利そうだ。 

 県民もワクワクできる穴場の数々

 表示されている写真の中にとても雄大な島々があり「こんな所、島根にあったかな?」と気になった。タップしてみると「島根町 桂島」と表示された。

 県観光連盟によると、市島根町加賀にある桂島は大山隠岐国立公園の特別地域。島根半島の日本海側、加賀港の西方に浮かぶ、周囲約2キロ、面積は約8ヘクタールの小さな島だ。港から島へ渡る遊歩道が整備されており、海水浴場があるため、季節によってはキャンプや釣りも楽しめる。

 桂島を耳にしたことはあったが、これほどの絶景で、さまざまな楽しみがある所とは知らなかった。まさに穴場と呼べるスポットを紹介され、県民ながらワクワクした。

 川辺に神社の鳥居が立っている写真も。これは大橋川のすぐそばにある多賀神社(朝酌町)で、スサノオノミコトなどの神様を祭る、出雲国風土記にも記されている神社だ。神在月に全国から集まった神様が、多賀神社に立ち寄ってもてなしを受けるという言い伝えも残る、由緒ある神社でもあり、小高い場所にある境内に上れば川や松江がよく見える。

 他にも、松江市街地を眼下に見渡せる華蔵寺(枕木町)や、大きなアヒルのモニュメントがある八雲中央公園(八雲町西岩坂)といった、中心部から少し離れており、通常の観光客はなかなか訪れることがなさそうな場所ばかり。市民でもあまり見たことがない風景が多数紹介されているので、地元の人たちでも楽しめそうだ。松江観光協会の大野俊之事務局長は「まだ知られていない松江のスポットを多数紹介している。自分に合った松江の魅力をぜひ発見してほしい」と利用を呼びかけた。 

 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、旅行の需要も回復しつつある。遠出も良いが、スワイプトリップを使って地元の魅力を再発見する、小さな旅に出てみても楽しそうだ。スワイプトリップはhttps://navi.kankou-matsue.jp/swipetrip/からスマートフォンでQRコードを読み込めば利用できる。

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