「そういえば、宿の備えつけの色鉛筆がすごい可愛かったから見て欲しい。色が桜や梅、タンポポといった花の色で、断面がそれぞれの花のかたちになってて、削りカスが花びらの形になるのすごい素敵🌸」
そんなコメントとともにツイートされた2枚の写真が、7.8万の「いいね」がつく話題になりました。写っているのは、優しい色合いの形の異なる5本の色鉛筆と、その色鉛筆を削ってみた様子です。
色鉛筆は、桜、紅梅、蒲公英(たんぽぽ)、常磐(ときわ)、桔梗の花の形とカラーが表されていて、削ると花びらのような可愛らしい削りカスができます。
ツイートした「ゆげ(@sasataro)」さんは、「一部屋一部屋インテリアや小物にとても凝っていて、備え付けの爪切りや裁縫道具、水屋のコーヒーミルなどもこだわりの品だったりする大変ステキなホテル」で、花色鉛筆に出会いました。
「お部屋のデスクには色鉛筆のほかに、ボールペン、定規、鉛筆削りやメッセージノートなどが、ご自由にお使いくださいといった感じで備え付けられていました」
「最初は、かわいい色だな~お花の色なんだ~と何の気なしに手に取ったんですが、なんかザラザラしてる…?断面が花の形だ!?と気づき、花色鉛筆の説明書を見つけて、削りカスが花びらになるの!?と、じわじわ驚いていった感じです。写真を撮って後で絶対買おう!と思いました」
そんなふうに話します。そして、桜の季節だったので、この色鉛筆を使って桜の絵を描いてみたそう。
「桜色はかなり淡く本当に桜の花びらみたいだ!と思いました。描き心地は普通の色鉛筆より柔らかめで、せっかくなので全色使って重ねて塗ってみたんですが、色ののりがよく描きやすいと感じました」
ツイートには、「ステキ!」「欲しい」などとコメントが寄せられています。
「眺めているだけでも心が踊りますね」
「あまりにも削りカスが可愛すぎて、拡大するまでこの子達のフィギュアかと思いました。」
「これ欲しいなー」
「これは可愛い🌸 素敵なものを考える人がいるなぁ」
「すごい!自分も欲しいけど、これはいつか誰かにプレゼントしたい✨」
色鉛筆は、「TRINUS(トリナス)」(東京都世田谷区)が2017年から販売している「花色鉛筆 | 削りかすから花びらが生まれる色鉛筆」(5本セット1980円)で、軸には廃棄古紙を主原料にした新素材「MAPKA(マプカ)」が使われています。トリナスの担当者さんにお話を聞きました。
──なぜこのような色鉛筆を作られたのですか?
弊社は2014年に設立した共創型メーカーです。革新的な技術を持つ日本の中小メーカーやクリエイターとの共創を通し、他にはないユニークな商品を開発しています。弊社が行うビジネスのひとつに、企業に眠るリソース(技術・素材・知財等)をオンライン上のプラットフォームに公開し、クリエイターからアイデアを募る「OPEN PROJECT(オープンプロジェクト)」があります。花色鉛筆は、同プロジェクトの第一号です。
──廃棄古紙を原料にしたMAPKAの特徴を活かしたプロダクトデザインを募集して、選ばれた作品なのですね。
MAPKAは、
・産業廃棄物として処理をしていた廃棄古紙をリサイクルしている点
・「紙製品」であるため可燃物として処理が可能な点
・焼却時にダイオキシンなどの有害ガスを発生せず、汎用プラスチック原料と比べてCO2排出量を約28%削減することにも成功している点
など、圧倒的な環境性能を誇る新素材であることに着目し、プロジェクト第一号の素材として採用しました。
──開発にあたり難しかった点は?
一番苦労したのは、削りかすが花びらとなる元の部分でもある、押出成形です。それまでの成形方法と異なる方法のため、試行錯誤が続き、成形テストと材料の改良を何度も何度も繰り返すも先が見えない状況を約10ヶ月繰り返し、もうこれで最後か…という想いでトライした際に、ようやく成功へと至りました。
──10ヶ月も! 色鉛筆の見た目の可愛らしさと、削っても楽しめることに注目が集まりました。
「花びらのような削りかすを捨てるのがもったいない!」というお客様からのお声がきっかけで、花色鉛筆から生まれた花びらで作るメッセージカードが誕生しています。花色鉛筆と一緒に贈るギフトとしても好評です。
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販売サイト「花色百貨」では、プロが厳選した季節の植物が届く「枝もの定期便」や、枝が大きなお花もコンパクトに飾れてメンテナンスが楽な花器「EDA VASE(エダベース)」なども人気があるとのことです。
■「花色百貨」(色鉛筆や枝物定期便の販売サイト) https://hanairo.store