「すみません、スーツが」ファミマのレジ前で思いやりの輪広がる 女性客に違和感→男性が声掛け→店員も手助け

金井 かおる 金井 かおる

 「今朝、夫がファミマのレジに並んでいたら」ーーツイッターユーザー「あっきーな」さん(@kina_115)の旦那さんの行動が素敵だとSNS上で話題になっています。旦那さんの勇気は女性店員をも動かし、レジ前では思いやりの輪が広がりました。

自身も過去に同じ失敗…「恥ずかしい思いした」

 あっきーなさんの旦那さんは4月初旬の朝、ファミリーマートで会計待ちの列に並んでいました。目の前には真新しいスーツに身を包んだ新社会人らしき若い女性客が。「これから入社式かな」と思った瞬間、スーツのすそに異変を見つけました。本来なら袖を通す前に切っておく「しつけ糸」がついたままだったのです。

 旦那さん自身、過去に同じ失敗をして恥ずかしい思いをしたことがあったため、「教えてあげたい。でもこんなご時世だし怖がらせてしまうかも。でも大切な1日に恥をかいてしまってはーー」。悩んだ挙げ句、勇気を出して声を掛けました。

 「すみません、スーツの背中のところが糸で止まったままかもしれないです」

 女性客はピンときていない様子でしたが、レジにいた女性店員さんが「あら本当!それは切らなきゃね!」と反応。店員さんははさみを取り出し、女性客に後ろを向かせると、その場でしつけ糸を切りました。

 最後まで状況を飲み込めていない様子だった女性客は「…?あ、ありがとうございます?」。店の前の駐車場で母親らしき女性が運転する車に乗り込むと、そのまま店を後にしました。車内での母娘の会話ーー「レジで男の人が声を掛けてくれて、店員さんがスーツの糸を切ってくれたんだけど」「あらっ、しつけ糸切ってなかったの?」ーーが想像できます。

旦那さんの行動に、奥さんは「夫らしいなぁ」

 その日の夜。旦那さんは帰宅後、あっきーなさんに今朝の出来事を報告し、「あの子が今後、もし今日の自分と同じ状況に立つ日が来たら、同じように声を掛けてあげられたらいい連鎖だよね」と振り返りました。

 今回の旦那さんの行動について、あっきーなさんは「目の前の女の子が、自分と同じような恥ずかしい思いをしないように動いたところが、夫らしいなぁと思いました」。というのも、あっきーなさんから見た旦那さんの性格は「人のために行動することに全く見返りを求めないタイプ」だそうで、「人から自分がどう思われるかよりも、その人のためになるか、また、自分がどうありたいかが行動基準のようです」。

 ご夫婦には1歳と0歳になる2人の女の子がいます。あっきーなさんは「娘たち2人にとってもいいパパになるかもなぁ、これから娘たちが制服やスーツを着るようになったとき、ちゃんと気にして見てあげられるパパなんだなぁ、そう思ったらうれしくなりました。私も誰かが勇気を出した時にフォローできる人間になりたいと思いました」と話しています。

 知らない人に声を掛けることは、はばかられることが多い世の中ではありますが、社会人の先輩として、2人の娘を持つ父親として行動に移した旦那さんの勇気は見習いたくなります。

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