ボンネットから子猫の鳴き声 4時間がかり、深夜の海に飛び込んで保護 先住猫にあたたかく迎えられ、膝で暖取る甘えん坊に

渡辺 陽 渡辺 陽

きなこちゃんは、マンションの立体駐車場の2階に停めてあった車の中にいた。福岡県に住むMさんは、5月下旬から子猫の鳴き声がするのに気づいていた。その鳴き声は、6月3日の夜中から叫ぶような声に変わった。Mさんは既に2匹の猫を飼っていたので、保護するかどうするか迷った。4日の夕方一度見に行くも見つけられず。もう一度見に行って車を特定できたという。

「私と相方で猫用缶詰を持って行き、車によじ登って引っ張り出せないかとか2時間以上粘りました。鳴き声を聞いたマンションの住人が何人か降りてきて、1人の男性が、車に鍵を刺して動かしてくれました。2時間くらいかかりましたが、車を2階から1階に移動させることができました。ボンネットの中にいることは確認できたのですが、子猫には手が届かず。ボンネットの奥へ奥へと行くので、とりあえず出てきてくれるのを待ちました」

やがて子猫が車から出てきたので捕まえようとしたが、さっと逃げてしまい、家の近くの海に落ちた。

「深夜12時前後の暗い海だったのですが、相方が飛び込んで捕まえました。別のマンションの方が降りてきて、『ずっとベランダから見ていたんですけど、良かったら…』と、缶詰とごはん入れをくれました。責任をもって私が面倒をみますと周りの集まってくれた人に伝えて自宅へ戻りました」

捕獲まで4時間以上かかった。

母猫のように迎えてくれた先住猫

翌日動物病院に連れて行くと、結膜炎があるだけでエイズも陰性だった。海水を飲んでいるかもしれないと言われたが、特に問題はなかった。

獣医師は、「首根っこ掴むと、この子は丸まらずに伸びちゃうんです。お母さん猫が子猫を運ぶ時、床にずっちゃうから運びにくくて顎が疲れて置いていくことがあります」と言った。

Mさんは帰宅後、便が出るのを待って、先住猫のモナカちゃん、おもちちゃんと対面させた。先住猫たちが温厚で、お迎えした初日はゲージの横で2匹とも寝てくれて、おもちちゃんはケージ越しに手を入れたまま寝た。

茶トラだったので、モナカちゃん、おもちちゃんに続いて、名前はきなこちゃんにした。

威嚇など一切しなかったので、2日目はケージから出して対面させた。モナカちゃんもオス同士なのにおしりを舐め、母猫と勘違いされてオッパイをもみもみされた。2匹は相変わらず一緒に寝てくれて、母猫の代わりに温もりを与えてくれた。

人より先に猫に懐く

モナカちゃん、おもちちゃんはきなこちゃんに優しくしてくれたが、多少はストレスを感じたのか、軽い軟便になった。Mさんがそれぞれの居場所を増やしたら治ったという。

きなこちゃんは、最初人間より猫の方に懐いて、帰宅する度にベットの下に隠れた。いまだに完璧に人慣れしておらず抱っこはできないが、お迎えして3、4ヶ月目ぐらいから隠れなくなり、少しずつ慣れてきてくれたのが伝わってくるそうだ。
「お兄ちゃん猫たちを真似してお水を飲んだり遊んだり、寒い時は私の膝で暖を取りに来たり、可愛い子です」

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