「デカすぎる」日ハム新球場のLEDビジョンは世界最大級! 納入企業「会社としても史上最大級のプロジェクト」

小森 有喜 小森 有喜

北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」で3月30日夜、初のプロ野球公式戦が行われた。セパ両リーグで唯一の試合だったこともあり注目度は高く、SNSではフィールドを一望できるサウナ施設などが話題に。その中で、ライトとレフト側に設置された2枚の大型ビジョンについて「デカすぎる」「横幅やばい」といった投稿も目立った。

両翼の大型LEDビジョンは幅約86メートルで、2面合わせた大きさは世界最大級だ。納入したのは、音響・映像システムの設計、施工などを手掛ける「ジャトー」(大阪市北区)。最新鋭の音響設備も含め、設計・設置の苦労やこだわりのポイントを取材した。

ビジョンはパネル660枚(両翼で1320枚)で構成されている。パネルは約1メートル四方で1枚120キロ程度。わずかなゆがみも生じないよう測量などで用いられる水平計を使って設置を進めた。寒暖差が大きい北海道の気候も考慮。パネルをはめる鉄骨の枠が最大2センチほど伸縮しても差し支えないよう余裕を持たせて設計したという。パネルをはめていく緻密で地道な作業には約1年を要した。両翼以外にも、バックネット裏やライトのブルペン前の企業広告などを表示するLEDビジョンがある。

また、場内には約400台のスピーカーを設置。アメリカのプロオーディオメーカー「BOSE(ボーズ)」のものを使っている。最も高い場所で地上約60メートル付近に設置されているのもポイント。どの座席でも均一に聴こえるようスピーカーごとに音の大きさや時間制御を加えている。

パソコン上でのシミュレーション通りにいくかどうか、施工後に場内105カ所にマイクを置いて音の大きさや明瞭性などを確かめる「音響測定」も6日かけて実施した。エスコンフィールドは屋根が開閉するため、両方のパターンに対応できるよう準備しているという。選手登場曲やBGM、イニング間の「きつねダンス」といった演出を迫力ある音で支える。

ジャトーは1946年、松下電器(現パナソニック)のモーターの代理店として創業。宝塚大劇場・東京宝塚劇場の音響、宝塚ホテルの音響・照明、大阪城ホールやフェスティバルホールの音響などを手掛けてきた。

エスコンフィールドの音響設備を担当した川本晃執行役員は「会社としても史上最大級のビックプロジェクトだった」と振り返り、「大型ビジョンに写し出されるダイナミックな映像と場内各所に配置されたスピーカーから拡声される迫力ある音響で、今までにない観戦体験を楽しんでほしい」としている。

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