「そろそろタイヤの溝が無くなる頃だから」と車を持ち込んだ客のタイヤが破裂していたー。そんな恐ろしい事態に遭遇した整備士のヒナボー(@hinaboR)さんがユーザーに警告を発しています。
ある飛び込み客が乗ってきた車の足回りを見てみると、タイヤの溝はほぼ失われ、側面は大きく裂けています。ヒナボーさんが「悠長なこと言っとる場合か」と一喝した危険な状態でした。ヒナボーさんに聞きました。
運良く車体を支えていただけ
ーー飛び込み客のタイヤの状態を教えてください。事故が起きる可能性はどのくらいあったのでしょうか。
「タイヤは既にバースト(破裂)していましたが、パンクしても一定距離なら走行可能な『ランフラットタイヤ』と呼ばれているものでした。
ランフラットタイヤのおかげで『運良く車体を支える事が出来ていただけ』の状態であり、『事故が起きる可能性』というレベルを大きく通り越した状態でした」
「タイヤ交換を怠って、パンク寸前のタイヤで走り続ければ、様々な事故や被害が予測できます。
高速に乗れば、80〜100km/h以上で制御不能に陥る事故を起こす可能性が十分あり、他車を巻き込む恐れもあります。
街中であっても、ちぎれた鋭利なワイヤーだらけのタイヤ片が飛び、歩行者に当たりでもしたら恐ろしい怪我につながりかねません。たった数万のタイヤ代をケチったせいで、莫大な損害を背負うことになります」
「どんなに車の性能が上がっても、最終的に地面に接地しているのはタイヤだけです。車におけるタイヤの役割だけは、これからも絶対に変わりません。
ドライバー自らが車への理解を深める事が、何よりも事故防止に繋がると考えます」
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タイヤがすり減り、溝の深さが1.6ミリ以下になると、「スリップサイン」と呼ばれるマークが出てきます。1カ所でもスリップサインが出たタイヤは、道路交通法で装着、使用が禁止されています。今回の飛び込み客のタイヤは、スリップサインが3カ所確認でき、側面も大きく裂けている極めて危険な状態でした。
Twitter上では「これは酷い」「恐ろし過ぎる」「命乗せて走ってる事を自覚して欲しい」とタイヤを放置する危険性を指摘する声が上がりました。
ヒナボーさんは「マジで車興味ない人ほど、車両の点検やチェックは怠らないで」と話していました。