間もなく迎える入学シーズン。ランドセルの色のトレンドについて、大手メーカーの「セイバン」(兵庫県)に聞きました。「ラン活」の時期は年々早まり、今は入学前年の5~8月がピークになっているそうです。
1人1台の学習用タブレット端末が導入されたり、教科書のページ数が増えたりしたことで、ひと昔前よりも荷物が重くなる傾向にある現代。その影響で軽量化、大容量化のニーズが高まっているといいます。
セイバンでは「男の子向け」「女の子向け」といった特定の性別向けの販売表記はしていませんが、2022年2月~23年1月の販売本数ランキングを見ると、男の子の「黒系色」人気は盤石の模様。1番人気は真っ黒ではなく、ふたの部分などに青い差し色が入っている「ブラック×マリンブルー」でした。次いで人気なのは、赤い差し色の「ブラック×カーマインレッド」。いずれも側面にドラゴンのエンブレムが入っています。
ただ黒系以外を選ぶ割合も増えてきているといい、PUMAとコラボしたスピードスターシリーズでは、光沢のある「パールメタルレッド」という赤色も発売されました。セイバンが2月に公開した検証動画(CM)でも、子供だけの意思で自由に選んでもらった際には、男の子は紺や深緑、白やピンク色などさまざまな色を選んでいました。
女の子ではここ数年、くすみカラーやパステルカラーといった淡めの色の人気が高まっているそう。1番人気は「シャーベットミント×アクア」という薄い水色です。豪華な刺しゅうや、雪の結晶をモチーフにした飾り鋲も施されています。こちらのシリーズ「モデルロイヤル クリスタル」は2021年に販売をスタートしたばかりで、ここ数年で一気に淡い色への人気が高まっていることが分かります。ちなみに、2位も「シャーベットミント」という水色でした。この他にも「パステルパープル」「ミルクティーベージュ」といった淡めの色が人気。とは言え“王道”の赤・ピンク系への支持も根強いようです。
同社担当者はランドセルについて「大人がお気に入りのものを身につけて気分を上げるのと同じ感覚で、子供たち自身が好きな色・デザインを選んでほしい」とします。