「伊能忠敬かな?」19歳京都大学1年生、長崎へ徒歩帰省 ネカフェで泊まり、飲み放題ドリンクと食パンもぐもぐ 31泊32日、新幹線の9倍かかった帰省費用とは

山脇 未菜美 山脇 未菜美

京都大学1年の男性(19)が31泊32日で、京都から地元の長崎・佐世保まで徒歩で帰省した。9府県をまたぐその距離は868.1キロで、掛かった費用は17万144円。宿泊はネットカフェ中心で、食事はファミレスのランチやスーパーの割引弁当を食べたという。「新幹線を使うのに比べて、1.1倍の距離、9倍の費用、135倍の時間を要した」と男性。「伊能忠敬かな?」とTwitter民が驚いた一見非効率な旅の魅力を聞いた。

「もともと地理や地学が好きで、高校の頃かから20キロとか普通に歩いていたんです」。けろっと話すのは、ツイッター名そううん(@soun142857)さん。今年度は、大学祭のサボりで8日間かけて愛知県南知多町まで闊歩。別の日には、子午線を跨ぐために、4日かけて兵庫県明石市へ。クリスマスを一人で過ごすことになったため、京都市内を100キロうろうろ。何となく奈良まで歩くなど、とにかく歩きまくっている。

一日4食でもお腹がすく

青春18きっぷで帰省した時に、それぞれの街の景色をもっと見てみたいと思った―。そんな理由から、徒歩帰省を思い立った男性。荷物は、最低限の着替え、財布、携帯、ノートパソコン。リュックに詰め込み、防寒対策は入念にした。事前にGoogleマップでルートを大まかに決め、2月12日に京都を出発。基本的に歩道のある国道2号線を歩いたため、あまり迷うことはなかったという。

1日30キロペースだが「体の痛みやきつさは、徒歩旅を繰り返すうちに平気になります。慣れです」と断言。ただ、食事は4食食べてもお腹がすく。5枚入り200円程度の食パンを、寝泊りするネットカフェで、飲み放題のドリンクとともに爆食。宿は3日に1回、ビジネスホテルに〝ランクアップ〟させて、体を癒した。「広島の峠を越える時、さすがに山道を15キロを歩き続けるのはきつかったですけど」

家族の反応は「お疲れ…やば…」

観光や地域の名物グルメも楽しんだ。神戸の南京町、山口の錦帯橋…。福岡の大宰府天満宮では満開の梅を堪能。広島でお好み焼き、山口では瓦そばを食べた。最終日の佐賀県では、ご褒美として温泉旅館に泊まった。いろんな地域の方言に触れられるのも面白かったという。

「一見、無駄で非効率に見えることでも、やってみると面白い発見があることが分かった」と男性。実家に到着したのは3月15日。掛かった費用は宿泊費11万3134円、食費4万7086円、装備費5234円、観光など4690円で、計17万144円。家族の反応はというと…「お疲れ…やば…という感じでした」

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