母親の7割超が「日本の社会は、出産・子育てがしにくい」 理由は「経済的・金銭的な負担が大きい」が最多に

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

1才6カ月までの子どもをもつ母親の7割超が「日本の社会は、出産・子育てがしにくい」と回答―。そんな調査結果が、株式会社ベネッセコーポレーション(岡山県岡山市)が運営する妊娠・出産・育児事業『たまひよ』が発表した「たまひよ妊娠・出産白書2023」で分かりました。また、出産・育児がしにくいと思う理由としては、「経済的・金銭的な負担が大きいから」が最も多かったそうです。

調査は 2022年10月に、全国の生後0カ月~1才6カ月の子どもをもつ母親・父親2062人(母親1649人・父親413人)を対象としてインターネットで実施されました。

調査によると、子育てについて「充実していると思う」「楽しい・幸せを感じる」という母親は90.6%で、父親も84.0%と8割を超えています。

しかし、「日本の社会は、子どもを産み育てやすい社会だと思いますか」と聞いたところ、「そう思う」(とてもそう思う2.2%・まあそう思う8.5%)と答えた母親の割合が10.7%となり、2020年の14.5%、2021年の17.5%から低下。

一方で、「そう思わない」(あまりそう思わない45.7%・全くそう思わない31.2%)と答えた母親の割合は76.9%で、2021年の66.8%より約10pt増加し、7割を超える結果になっています。なお、父親の「そう思わない」(あまりそう思わない31.0%・全くそう思わない19.6%)の回答割合は50.6%で、2021年の48.6%と比べて大きな変化はみられません。

また、「出産・育児がしにくいと思う理由」については、父母ともに「経済的・金銭的な負担が大きいから」(母親90.2%・父親84.7%)が最多。次いで、「社会の理解や支援が不足しているから」(同69.9%・62.2%)、「職場の理解や支援が不足しているから」(同65.6%・59.8%)と続きました。

2021年と比較すると、母親は「「経済的・金銭的な負担が大きいから」が6pt、「将来の社会への不安が大きいから」が4.7ptの増加となりました。一方、父親では「社会の理解や支援が不足しているから」が7.0pt、「職場の理解や支援が不足しているから」が15.7pt増加しています。

次に、父親に対し「今以上に、育児に関わりたいと思いますか」と聞いたところ、2021年より2pt増加して88.4%が「関わりたいと思う」と回答。

また、「出産・育児に関する休暇」については、「有給休暇」を利用した人は31.0%と、昨年の42.5%から10pt以上も減少。一方、「育児休業制度」を利用した人は昨年から約17pt増加し、42.5%と4割を超えています。

さらに、父親が「出産・育児のために取得した休暇日数」については、「出産前後に2~3日」(23.4%)が最も高いものの、昨年からは約9ptの減少。「出産当日だけ」(9.2%)も約7ptの減少となり、代わって、「2週間~1カ月未満」(8.3%、2021年比+2.7pt)、「1カ月~3カ月未満」(9.8%、同+3.3pt)が増加していることから、育児休業制度などが徐々に浸透傾向にあることが明らかになりました。

その一方で、父親の「育児休業制度を利用しない理由」としては、「仕事の代替要員がいない」(45.8%)、「職場の雰囲気が休みにくい」(33.2%)、「職場に前例がない」(28.6%)、「業務量が調整できない」(26.5%)、「経済的な不安」(18.9%)などが上位に挙げられています。

そこで、「男性の育児休業制度利用促進にあたり必要だと思う条件や要件」を聞いたところ、「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」(81.7%)、「育休中の収入補償」(70.3%)、「昇進や昇給などにひびかない評価制度」(64.8%)などが上位に挙げられたそうです。

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【出典】
▽たまひよ妊娠・出産白書2023
https://st.benesse.ne.jp/press/content/?id=146241

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