子育てで疲労困憊だった妻、夫の神提案で一変ニコニコ笑顔に「大切なのは、ひとり時間、心の余裕」

宮前 晶子 宮前 晶子

「産後たまに“太りすぎ”とか“オシャレしなくなった”みたいな感じのことを超オブラートに包まれ何度か夫に言われたことがあった。そんなとき私は“子育て大変でそれどころじゃない…”とイラっとしてた。でもそういえば最近パッタリと言ってこなくなった夫。

そのかわり月1でちょっと高めのホテルのランチに連れてってくれたり、週1で5時間ほど私のひとり時間を必ず確保してくれるようになった。その時間で銭湯いったり買い物したり美容室いったり。おかげでオシャレな服がまた着たくなった。長澤まさみになりたいと思った。心の余裕の大切さを痛感。睡眠の次に大切なのは『ひとりの時間』」

ひみつのうつ子ちゃん(@utuko_chan 以下うつ子ちゃん)は2歳の男の子を育てるママ。育児中のママのご多分にもれず、産後は子どものお世話をすることで精いっぱい、おしゃれすることもなく、毎日を乗り切ってきました。そんなうつ子ちゃんの様子から心の余裕のなさを察知したうつ子ちゃんの夫(以下うつ夫さん)は、うつ子ちゃんが自分自身のために過ごす時間を持つことを提案。

最初はその申し出に乗り気ではなかったうつ子ちゃんですが、実際に試してみると「睡眠の次に大切なのは『ひとりの時間』」と実感したそうです。

うつ子ちゃんに、ママのひとり時間への思い、また乗り気ではなかった理由などを聞きました。

妻「週1必ずあるひとりタイム』で超絶《心の余裕》」

――投稿への多くの反響、どんな思いで受け止めました?

「やはり私と同じように『ひとり時間』がなく、大変な思いをされていらっしゃる方が多いんだな…という印象でした。親の《心の余裕》は、子どもにとって良い影響しかないと思うので、もっと「ひとり時間」がとれる世の中のしくみになればいいなと。夫婦間の問題ということもあるとは思うのですが、なんだかそれだけが問題ではないような気がしますので…」

――リプライで印象に残っているものは?

「“子どもが出来ると自分の時間が取れなくなるので、自分は絶対子どもを作らない”という内容のリプライです。こう言う声が出てくるくらい『ひとり時間』は大切なのに、多くのお母さん(またはお父さん)が『ひとり時間』を持てていない。きっと仕事・家事・育児・介護などさまざまな要因で『ひとり時間』を持つことができていない人が多いんだろうな、これって結構問題だなと思いました。この方は、続けて“そう言う旦那さん素敵ですし、当方も子が云々関係無く、相手を思いやれる存在になりたいものです”とも書き込んでいらっしゃり、子どもの存在関係なしに、夫婦で思いやりを持って生きていくことが大切だなと改めて感じました」

――ひとり時間を提案されたものの、気が乗らなかったとか?

「出産後、ひとりになる時間はほとんどありませんでした。あったとしても子どもが0歳1歳の頃は“離れたくない”“心配”という気持ちの方が大きく、心からひとりの時間を楽しむ余裕もありませんでした」

――うつ子ちゃんに限らず、そう思う母親は多いかもしれませんね。

「“ほしい”と思わなくなったということではありませんが、今思うと、“『ひとり時間』がないこと”自体に慣れてしまっていたのかも。私は、その状態からの変化が怖いと言うか、抵抗みたいな感情があったのだと思います。『ひとり時間』がなくてもなんとかやれている、夫も仕事で忙しいのにこれ以上負担をかけたくない、自分はまだ我慢できると、思っちゃったのでしょうね」

――もともと『ひとり時間』を求めるタイプでした?

「産前はひとりでいるより夫や友達や親兄弟と一緒に過ごしていたい!というタイプでした。でも子どもを産んでからいかに『ひとり時間』が大切なのかがわかりました。今では私もはやくひとりの時間がほしい~!!!と1日に何度も思っています…!!!」

――うつ夫さんからはどのような言葉で背中を押されたのですか?

「“今はひとりで過ごす時間は必要ないと思っていても、毎週固定で取ってみたら必ず心の余裕が生まれて良い変化がもたらされるはず。絶対に良くなるから。信じてやってみて”というような感じで言われました」

――その言葉に応じたら、素敵な時間が待っていたというわけですね!

「そうなんです!1回目で気づきました。全然違いました。ずっとご機嫌でいられる自分に驚きました。何回も言うけど、ほんとうに全然違います。世界が変わりました!」

――例えば、どんなことをして過ごしていますか?

「まずは喫茶店によってコーヒーを飲みながらTwitterをチェックしたり、ボーっとしたりして過ごします。そのあと銭湯&岩盤浴でゆったりするのが定番。漫画も読めるので今は『コウノドリ』という出産とそれにまつわる様々な話が描かれた漫画を読んで涙のデトックスも。移動は徒歩。散歩することもリフレッシュになっていますね」

――ご夫婦で『ひとり時間』について、会話することも?

「「次はこんなことしようと思う」や「こんなことしてみたら?」など、どんな風にひとり時間を過ごすのか夫婦で考えたりすることも楽しみのひとつになりました」

夫「周囲の声に耳を傾けて“自分なり”育児から脱皮」

小さい子どもがいる家庭で、自分だけの『ひとり時間』を持つためには、どちらか一方がその間子どもを見守る必要があります。しかし、この点で、夫婦の思いが一致しないことも多々。

「ご主人の変わったキッカケが気になります」「ママの産後の変化に対して、夫婦の"ちょうど良い形"を新しく見つけるのにはどの家庭も苦戦」という声もリプ欄には寄せられていました。そこで、うつ夫さんにもどのような思いで『ひとり時間』提案に至ったのか、聞きました。

――なぜ『ひとり時間』を持つことを強く提案したのでしょうか?

「産後、“自分なりに”妻のためにアレコレ頑張っていたのですが、どうもうまくいきませんでした。インターネットで調べたり、考えたり、本を買って読んでみたり、妻に聞いてみたりもしたけどダメ。うまくいかない日々の中で、考え続け、家族みんなの幸せな時間を切実に願い続け、どうにかヒントを得ようと周囲に相談したのが好転のきっかけになりました。

相談しては考え、また相談して、いろんな意見やアドバイスを得た結果、「ひとり時間」と「睡眠時間」が足りないんだ!と。確信に近い希望が生まれたので、強引に勧めることにしました。“自分なりに”から脱皮したのが良かったなぁと思っています」

――実際、うつ子ちゃんが「ひとり時間」を持つようになって、家庭の雰囲気はいかがですか?

「妻の笑顔が増えました。妻がイライラしていることも減りました。妻が上機嫌になるから、自分もうれしくなり、笑顔も増え、上機嫌な毎日を過ごせています」

――夫婦で上機嫌!楽しそうです!

「上機嫌な夫婦にはさまれるようになって、息子くんの“パパいや、ママがいい”もなくなりました。”ママがいい、パパもいい”に変わって、僕はパパイヤ鈴木から脱皮できたのです(笑)」

産後の心の変化を丁寧に言葉にしてくれたうつ子ちゃんと、上機嫌で答えてくれたうつ夫さん。夫婦がそれぞれの立場を思いやり、お互いのためにできることをするのが功を奏しているようです。

◇  ◇

今回のうつ夫さんの提案とうつ子ちゃんの反応に対して、育児経験者からは
「毎週5時間欲しいなぁ」
「いろいろ買ってくれるのは嬉しいけど、そうじゃないんだよなーと思ってます。旦那は一人で何かするよりみんなで何かする方が楽しいと思う人だから、ひとり時間に対する考えが出てこない」
「時間に追われて余裕もないとオシャレなんてどうでもよくなっちゃいますよね」
「美容院すら許されず、きつかったなぁ」
「うちもママオフ日を作っています。でも、出先で子どものもの家族のものを買って来てしまうママに感謝しかない」
「丸一日自由に過ごせる券を月に妻が2枚、僕が1枚で発行。お互い余裕が生まれた気がします」
などの声、
「旦那さんの行動変容、大正解ですね 不満いうより、妻が1人になれる時間(2〜3時間とかじゃ足りない)をガバっとしかも定期的に作ってくれた方が長い目でよっぽどWin-Winです」
「拡声器片手に各家庭の旦那に伝えたい真実」
「母親に必要なのは一緒に父親になってくれる人であって恋人でも子どもでも、ましてや、いちゃもんをつける隣人でも無い」
と子育て中の夫婦のあり方を問う声もありました。

子育て中のパートナーがイライラしたり、体調を崩したりする前に、普段から少しずつでも『ひとり時間』を過ごせるように心配りを。また、『ひとり時間』をパートナーから提案されない場合は、『ひとり時間』が大切だという発想がないことも。「ひとりで過ごす時間を持ちます」と自ら発信してみてはいかがでしょうか。

うつ子ちゃんは、現在、講談社「FRaU WEB」(講談社)で『毎週うつ子ちゃん』連載中。育児中に感じたことなどを綴っています。

■ひみつのうつ子ちゃん @utuko_chan
■『毎週うつ子ちゃん』 https://gendai.media/list/author/himitsunoutsuko

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