引っ越し・新生活シーズンを迎え、新しい住まいでの「近隣トラブル」を懸念する人もいるのではないでしょうか。そこで、近隣トラブルに遭遇したことがある一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)に居住する20~69歳の男女500人を対象に調査をしたところ、過去に遭遇した近隣トラブルとして圧倒的に多かったのは「生活音/騒音」でした。また、5人に1人以上が「隣人トラブルが原因で引っ越した経験がある」ことも分かったそうです。
トラブル解決支援サービスを展開する株式会社ヴァンガードスミス(東京都港区)が、2023年2月にインターネットで実施した調査です。
調査の結果、「過去に遭遇した近隣トラブル」で圧倒的に多かったのは「生活音/騒音」(305件)で約6割を占めたほか、「臭い(タバコ、悪臭)」(77件)、「駐車/駐輪関連」(74件)、「ゴミ出し関連」(72件)、「ペット関連」(66件)などが挙げられました。
「生活音/騒音」に関する具体例としては、「深夜に騒がれてうるさかった」「上の階の子どもの歩く音や遅くまで騒ぐ音がうるさかった」など、深夜帯の騒音被害に関するコメントが多く、近隣からの過剰な生活音をストレスに感じている人が多くなっています。
そのほかでは、「異なる曜日にゴミを出していた」「アパートの通路に原付が駐車されていた」「風呂場の使用時に異常に攻撃音を出す」「ベランダに物を投げ込まれた」「下の部屋から天井を突かれた」などのコメントもあり、心理的・身体的に不安を覚えるような経験をしたことがある人も一定数いることが分かりました。
また、近隣トラブルを経験した人のうち、「トラブルが原因で実際に引っ越しをしたことがある」と答えた人は22.8%に上ったほか、「引っ越しを考えたことはあるがしていない」は28.8%で、「近隣トラブルが原因で引っ越しを検討したことがある人」という観点では、半数以上にも上っています。
最後に、「近隣トラブルを経験した際の相談先」については、「管理会社」(160件)、「家族」(119件)、「相談していない」(95件)という結果になりました。
その一方で、「管理会社に相談したが当事者同士での解決を促された」「警察に相談したが何かあってから言ってくれと言われた」「10年以上未解決になっている」といった声も寄せられており、具体的な問題解決に至らないケースも多いことがうかがえたといいます。
同社は、「現代社会では、近隣トラブルに対する法整備の壁や相談先の不明等により事件防止の観点では具体的な対策が行いにくい分野であるため、警察などが介入しづらい問題であり、解決に至らないケースがあると考えられます」と分析しています。
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調査を実施した同社は、「近年では、近隣トラブルの当事者同士での話し合いは、互いに感情がエスカレートしてしまいトラブルが事件にまでエスカレートしてしまう可能性も含んでおり、事件化のリスクを避けるためにも第三者を介入させ双方の主張をヒアリングし、譲歩・妥協点を見つけ、解決に導くことができる社会機能の存在が非常に重要であると考えます」と述べています。