小学校の教員をしながら、Twitterを通じてイラストや漫画の制作活動を行っているネコ先生さん(@nekosensei0519)。ご自身の感じたことや気づきなどを発信されていますが、今回の『こころの温度』という漫画でも、大切なことを伝えてくれています。
「どうやら、こころには、からだとおなじように、『おんど』があるみたいだ」
このような説明から、漫画ははじまります。
何があっても前向きにぶつかっていける「熱い」こころの温度。
冷気(どく)を吐かないと凍り付いてしまうような「冷たい」こころの温度。
温度にはいろんな段階があり、それは「人によって」違えば、また同じ人でも「時と場合によって変わる」といいます。
ネコ先生は、人同士が接するなかで、そのこころの温度が大切だと説明。
熱いこころの人が、冷たいこころの人に触れたりすると、相手を“やけど”させてしまうことも。
一昔前は、強い精神をもち、前向きに物事に取り組める人が良いとされる風潮がありました。当時の学園ドラマなんかでも、「熱血教師」のような人物が出てきて、生徒たちの問題に真正面からぶつかり、𠮟りつけたり励ましたりしながら、正しい方向に導いてゆく――という場面がよくみられます。
しかし、時代によって、人々の価値観は大きく変わるもの。そのような在り方は「価値観の押し付け」であるという意見も見られます。
「このように時代が変化してきた理由には、SNSなどの普及によって、直接では言いづらい個の思いを自由に表現し、共感してもらえる機会が増えたことがひとつ挙げられるかと思います。これまで組織のためにと押し殺してきた心を、こうして真っ直ぐに出せる場所があるのは大変嬉しいことですが、その分だけ二つの面のギャップが大きくなり、苦しんでいる人も多くなっているように感じています。だからこそそれぞれの温度差に、改めて目を向ける必要があると思いました」
ネコ先生さんは作品に込めた想いについて、このように話してくれました。
「言葉をかければ良いって訳じゃなく、黙って寄り添うだけで良い事もある」
「ネコ先生の絵、本当に暖かいしわかりやすくて好きです」
今回の漫画を公開したツイートのリプ欄にも、共感と称賛の声が寄せられています。
確かに、「こころの冷たくなってしまった人」を無理矢理に励ましても、本人はそれをなかなか受け入れられないことでしょう。大切なことは、一方的に自分の想いや意見を押しつけるのではなく、相手のこころの状態を理解し、「同じ温度」で寄り添うことなのかもしれません。
■ネコ先生さんのTwitterはこちら→https://twitter.com/nekosensei0519