鳥さんのまばたき、アップで見たら…自由すぎて驚き! 動画を撮影した上野動物園「観察する面白さを知って」

太田 浩子 太田 浩子

 ペリカンの仲間、ハシビロコウの目をアップで捉えた動画が、面白いと話題です。目を閉じていたハシビロコウがまばたきをするのですが、まぶたが下から上に閉じるほかに、目頭から後ろに向かって「瞬膜」も出てきます。目を閉じる方法が2種類あるうえ、それらの動きが左右バラバラで、まさに「自由すぎるまばたき」。

 「#オンラインで動物観察」というハッシュタグをつけて動画をツイートしたのは「上野動物園[公式](@UenoZooGardens)」です。ハシビロコウの迫力ある大きな目だからこそ、まばたきの様子がよくわかります。

「初めて見ました 器用で不思議なまばたき・・・」
「すごい面白い😆😆😆」
「なかなかこんなにアップで見られないので載せて頂いてありがとうございますm(_ _)m」
「えー!まぶた下から上なのー??」
「知らなかったーーーー」

と、人間とは異なるハシビロコウのまばたきに、驚いたというコメントがリプ欄に寄せられています。上野動物園の担当者さんに、詳しいお話を聞きました。

──とても面白い動画でした。ハシビロコウは、まぶたや瞬膜をどんなふうに使い分けているのですか?

 多くの鳥は、瞬きとしては瞬膜を使うほうが多く、それはハシビロコウも同じです。それ以外に鳥が瞬膜を閉じるのは、高速で飛ぶとき、水に飛び込むとき、潜って泳ぐとき、何かが目に入りそうなときなど、目に強い刺激が加わる状況にあるときです。

 上野動物園では、羽繕いをするときや雨の日に体を震わせて水滴をはじくときなどに瞬膜やまぶたを閉じているのがよく観察できます。羽や水滴などが入るのを避けているのかもしれません。

──基本は目を守っているのですね。鳥類はみんな同じようなまばたきをするのでしょうか。

 ふつうのまぶたのほかに「瞬膜」があってそれで瞬きをするのは他の鳥も同じです。左右別々に動かすのはフクロウなどでも見かけますが、他の鳥もすべてそれが可能かどうかは確認していません。

──動画「自由すぎるまばたき」に映るハシビロコウのお名前は?

 アサンテというメスです。

──今回の動画も含めて、動物たちのおもしろい行動や不思議な生態を「#オンラインで動物観察」をつけて紹介されています。

 ご覧になった方が、つい動物園に足を運んで自分の目で確かめたくなってしまうようなツイートをするよう心がけています。動物たちの体つきや行動には、生きていくためのすばらしい工夫がつまっており、動物園ではそれを実際に観察することができます。1人でも多くの方に、動物のすばらしさ、それを観察する面白さを知っていただけたらと思います。

──なるほど。動画を見たら、今までとは違う視点でハシビロコウを観察できそうです。

 動物園は生き物についてのさまざまな疑問を見つけられるところであり、またそれを解決できるところでもあります。これを機会に、ほかの鳥はどのような瞬きをするのか、どんなときに瞬膜を閉じるのか、ぜひ動物園でいろいろな鳥を観察してみてください。

 ◇ ◇

 別の動画では、ハシビロコウが羽ばたく様子も紹介されました。大きく羽を開いて羽ばたくと、近くの水面が波打って風がおこっていることがわかります。ほかの動物もたくさん紹介されていますから、ツイッターをチェックして動物園に足を運べば、今までとは違う楽しみ方ができるかもしれませんね。

■上野動物園 https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース