生まれてきた瞬間から動画配信で愛されたホッキョクグマ 母と別れて旅立ちへ 「名古屋でも人気者に…大きくなって日本一に」 

茶良野 くま子 茶良野 くま子

「いってらっしゃい、元気でね」

真っ暗闇の産室で生まれた瞬間から動画配信され、人気者になった秋田県の男鹿水族館GAOのホッキョクグマの赤ちゃん。オスの「フブキ」が無事に成長し、親離れの時期を迎えました。名古屋市の東山動植物園への移動することになり、「送る会」が2月26日に行われました。

豪太(19歳)、ユキ(23歳)の間に2020年12月26日誕生。ユキに咥えられて映像に初登場した際の動画は白黒ながら鮮明で、生育自体難しいなどの解説もあり、多くの人が心配しながら見守りました。産室を出てカラー映像になると、まっしろムッチムチな姿から「ちびまんじゅう」と呼ばれ、オスと判明後は「ちびまんじゅう王子」、一般公開で観覧者によるSNS発信が始まると、小さいのに貫禄たっぷりな姿に「フブキング」とも。

フブキの旅立ちを応援しようと同館は「#フブキはこんなホッキョクグマ」投稿をSNS上や館内で呼び掛け。おもちゃで豪快に遊んだり、時々ずっこけたりしたときの様子や、母グマべったりの甘えん坊な姿など、思い出話がたくさん寄せられました。

では、一番近くで成長を支えたスタッフにとっては?

飼育員の田口さんに聞くと、「とにかく遊び好き。食べて寝て遊んで…うらやましくなるような生活ですね。子どもらしいな、と思います。知恵を使った遊びをするようになって、ブイを思いっきり壁に当ててプールに跳ねるのを考えてながらやってます。よくずっこけると言われますが、その通りです。でも、だんだんと、やりたいことに体の動きが追い付いてきたみたいです。体も少し引き締まりました!」

移動にあたりお引越し先へと用意した「フブキ取扱説明書」の中に、「高さ3mより下には物を置かないで」と書いたそう。「寝室の監視カメラのコードが高さ2.8mの位置にあって届かないはずだったんですが、引きちぎって遊び道具にしてしまって。最近、ジャンプすることを覚えて、届いてしまったみたいです。豪太でも3mなら大丈夫なので、それくらいかなと。おもちゃもすごい力でよく投げるので気を付けてもらえれば…と」

2月26日の「送る会」では、好物の鮭やリンゴをトッピングした氷ケーキと、「元気でねフブキ」の氷プレートをプレゼント。親子で奪い合ったり、仲良く並んで食べたあとは、おもちゃにして楽しんでいました。

当日の親子での写真撮影に関して同館は、4つある観覧場所のうち3カ所を基本撮影禁止とし、「スマホのみOK」という策に。残り1つを撮影用として確保したため、多くの人が譲り合ったりしながら親子最後の姿を目に焼き付け、フブキにエールを送りました。

旅立つフブキへ田口さんは、「フブキはもちろん可愛いです。単なる愛情というよりも、育てる責任を持って接していました。彼らの尊厳を尊重した飼育環境をどう整えていけるか…ホッキョクグマという生き物、その美しさ、彼らに対して尊敬の気持ちが大きいです」。

今後については、「とにかく元気に遊んで、人気者になってほしいな、と。父親の豪太が大きいのでフブキもこれからが楽しみです。東山にいたサスカッチもとても大きかったので、フブキも大きく大きく成長して、ぜひ『日本一』になってほしいです」

フブキは3月5日に、愛知県名古屋市の東山動植物園へ出発。2月27日以降は出発期間のため状況によっては会えないことや、展示が休止される可能性もあります(3月5日は終日ホッキョクグマ広場での観覧不可)。

【愛されたフブキ…誕生からの記事はこちら】

ホッキョクグマ親子、プールの水があふれたら…水陸でおおはしゃぎ!
■茶髪ロン毛の…これなに!? 「なまはげ!」「レゲエ」「…貞子…」
■あなた、何グマ?秋田で生まれたやんちゃ盛りの1歳ホッキョクグマ
■秋田生まれのホッキョクグマ写真集が「かわいい+濃厚」と大反響
■「遊んで~」もうすぐ1歳のホッキョクグマに飼育員が猛アピール
■ホッキョクグマ親子の人気が過熱、水族館が撮影マナーに切実なお願い
■秋田のホッキョクグマ「ちびまんじゅう王子」がお名前募集中
■生まれたてのホッキョクグマの赤ちゃんが鳴いて転がる動画が大人気!

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース