茨城県動物指導センターに「迷子犬として収容されましたが、飼い主のお迎えはなく、その後、保護団体に引き取られた2頭のワンコ、リディアちゃん(メス)ともずくくん(オス)。
リディアちゃんは2022年夏に保護された推定2〜3歳のミックス犬。一方のもずくくんは、リディアちゃんと同じ日に保護され、しかもほぼ同じ年齢のミックス犬。毛色さえ違えど、体格も似ているこの2頭のワンコ、どうもやっぱりお互いに共鳴するところがあるようで、いつも2頭仲良く過ごしています。
人馴れしているリディアちゃんと、慎重なもずくくん
2頭は、保護団体・NPOアルマと協働するアルマ東京ティアハイムという動物保護シェルターで暮らすことになりました。
リディアちゃんは、人間とのコミュニケーションが完璧で、好きなことは何よりも「人間から撫でてもらうこと」。スタッフがリディアちゃんの全身を撫でると「やめないで〜」と前脚でチョイチョイしてくるような、かわいい一面があります。また、部屋の中で過ごすことに慣れている様子で、推測では、センターに収容されるまでは、飼い主かご飯をくれる人にかわいがってもらっていたのかもしれません。
一方のもずくくんは明るく接してくれるワンコですが、慎重な面があり、慣れていない場面、人間の前では、いちいち気になり心細そうな表情を浮かべます。他方、そこに別のワンコを見つけると、途端に「仲間がいる!」といった感じでテンションを持ち直します。遊び出すとパワフルな一面もありますが、ケージの中では吠えたりもせずいつも穏やかに過ごしています。
仲良し2頭の「かわいい力関係」とは?
リディアくんともずくくんは、とても仲良しで、まるで恋人同士のように映ることもありますが、2頭の「ワンプロ(ワンコプロレス)」の様子を見ていると、若干の力関係があるようです。
普段はもずくくんのほうが、リディアちゃんを遊びに誘うことが多いのですが、リディアちゃんはそんなもずくくんに対し「私と遊びたいの? 甘いわよ!」とばかりに飛びかかります。手荒い対応を受けたもずくくんも負けません。「いや僕だって負けないよ」と、これまたリディアちゃんにちょっかいを仕掛けます。でも、リディアちゃんは「だから甘いって言ってるでしょ」と、またもずくくんに飛びかかり、もずくくんは降参。
こんな風にもずくくんよりも、リディアちゃんのほうが上の立場にいる印象なのですが、それでももずくくんはやっぱりリディアちゃんが大好き。もずくくんは、リディアちゃんがオモチャで遊ぶことが好きなことを知っており、わざとオモチャを使って誘い出すこともあります。
縁に導かれるように2頭一緒にやってきた?
2頭ともに大型犬に入るリディアちゃんともずくくんの「ワンプロ」は、かなりの迫力があります。そのため、見慣れない人が見ると「喧嘩しているんじゃないか」「怪我しないだろうか」と心配することもあるようですが、そこは心配無用。リディアちゃんも、もずくくんも楽しく遊んでいるだけです。
仲良しのリディアちゃんともずくくんの様子を見ていると、「保護されるずっと前から2頭の縁がつながっていて、導かれるように2頭一緒にアルマに来たのではないか」と思うほどですが、もちろん2頭とも里親希望者さんを募集中です。
チャーミングで賢いリディアちゃんと、明るくユニークなもずくくん。他のワンコたちと一緒に、幸せな第2の犬生に繋げることを目指しながら、今日もアルマで楽しく元気な生活をおくっています。
▽アルマ東京ティアハイム/NPO法人アルマ
http://alma.or.jp/