過去最大の鳥インフルエンザ感染が拡大し、価格が高騰している「卵」。まさか高級食材になるかもしれない卵の保存方法について、ツイッターへの投稿に注目が集まりました。
「卵ってパックのまま冷蔵庫に入れるものではなくて?」
このツイートをきっかけに、冷蔵庫に入れる派、常温保存派をはじめ、様々な意見が飛び交う事態に!
リプ欄には、様々な意見や情報が錯綜、疑問もたくさん!
「冷蔵庫の卵ケースに入れ替える」
「パックのままチルド室に入れる」
「スーパーでは常温で売っているから、家でも常温」
「普通に戸棚に置いてある」
このように、まずは冷蔵or常温で意見が分かれます。
冷蔵庫に入れる派は「どう入れるか?」で意見が様々。
「表面に多くの雑菌が付いているので、卵はパックのまましまう」
「パックが邪魔だから、パックから出して冷蔵庫の卵ケースに入れる」
「パックのまま卵ケースに入れる」
「「あれ、賞味期限いつだっけ?」ってなるからパックのまま派」
「パックだと取り出すときにグニャッてなって卵が落ちたりしない?」
どちらかと言えば、冷蔵庫に備え付けてある卵ケースに入れ替えるよりも、購入時のパックのまま保存する意見が多いようです。
さらには、卵を洗う派も登場!
「卵を洗ってから、卵ケースに並べます」
「使う時は洗います」
そこで【JA全農たまご】の広報担当の方に、卵の保存方法に正解はあるのか、お聞きしました。
「パックのまま、冷蔵庫の奥の棚へ」がオススメなんだそう!
——ズバリ、推奨されている保存方法を教えてください!
「持ち帰ったら速やかに購入時のパックのまま、冷蔵庫のドアポケットではなく棚に保存してください。卵は温度や結露のほか、ドアの開閉による衝撃によって殻にヒビが入ってしまうことがあるためドアポケットよりも振動の少ない冷蔵庫内の奥での保管が最適です」
——なるほど! 冷蔵庫の機種によっては、卵の収納スペースがドアポケットに作られているものがありますが、そこよりも温度も安定し振動も少ない棚の方がベストなんですね。
「現在の販売用パックは、衝撃吸収にも優れていて中の卵が割れにくいうえ、卵の鋭端部(とんがったほう)が下向きになるように入れられてます。鋭端部を下向きにして保存することにより、品質を保つことができるんです。さらにパックには賞味期限が印字してある点からも、そのまま保管することをオススメしています」
——卵の賞味期限は、どういう保存をした場合の期限でしょうか?
「卵の賞味期限は、生で食べる場合の期限として表示されています。この期限は常温で流通したのち、お買い上げ後は家庭で冷蔵保存される前提で設定されています。卵のパッケージにも記載されていますが、購入後は冷蔵庫(10℃以下)で保存して下さい」
サルモネラ菌も気になるところだけど、実際はどうなの?
——パックのまま冷蔵庫へ入れる派のコメントには「卵ケースに入れ替えるとケースに菌が付くから」という理由の方も多く、さらには「洗う」という人もいましたが…。
「日本で流通している卵は、法律によって定められた手順に従って洗浄・殺菌されてから出荷されていますので、洗う必要はありません。水洗いは結露同様、卵内への微生物侵入の原因となることがあるためオススメしません」
——サルモネラ菌ってよく耳にしますが、卵に付いているんですか?
「卵に関する食中毒菌としては『サルモネラ菌』がよく考えられますね。サルモネラ菌は鶏の腸管に感染する細菌で、卵の殻の外に付着したり、非常にまれですが鶏の卵巣や卵管に侵入して卵の内部を汚染することがあります。汚染率は0.0027%程度と言われています(農林水産省の試算)。殻の外の菌は出荷前に法律で定められた基準で洗浄・殺菌されているので問題ないかと」
——洗浄、殺菌して出荷しているんですね
「万が一、卵の中にサルモネラ菌が存在していたとしても、増殖前の食中毒の危険性のない生食可能な期間を賞味期限として設定しています。サルモネラ菌は、温度と時間によって増殖率がある程度算定できるので、生で食べても安心な賞味期限を設定することができるのです。でも、その大前提として家庭での冷蔵保存、そして賞味期限が大切なんです」
——その他、卵の取り扱いについて気を付けた方がいいことは?
「『卵はきれいでヒビ割れのない新鮮なものを』『持ち帰ったらすぐに冷蔵庫に入れる』『生で食べる場合は、ヒビの入った卵は使用せず、食べる直前に殻を割ってすぐに食べる』『賞味期限を過ぎた卵を加熱調理する場合は、充分に加熱する』『調理前の生卵や調理後の卵料理を長時間放置しない』など。ご家庭ではこのようなことに注意してください」
——最後に「これだけは知っておいて!」などあれば教えてください!
「『1日1個まで』など、卵のコレステロールについての誤解が未だに多いのが現状です!そもそもこの誤解のきっかけは、100年以上も前に行われたロシアでの実験結果が原因で、近年の研究では健康な方は、卵を摂取しても血中コレステロールに影響がないことがわかっています。『卵は好きだけど1日1個までって言うし…』と我慢している方がもしいらっしゃったら、ぜひとも気にせず食べていただきたいです!」
現在、過去最大の鳥インフルエンザ感染拡大の影響も受け、生産量がさらに大きく減っていますが、全国の養鶏場や流通業者の方々が、卵の流通を途切れさせないよう、全力で対応に動いているということです。そんな大切な卵を正しく保存して、おいしく食べたいものですね!
【JA全農たまご】
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