回転ずしの迷惑動画問題 昭和生まれの私が感じたさまざまな思い

ハイヒール・リンゴのつぶやき

ハイヒール・リンゴ ハイヒール・リンゴ

 回転ずし大手スシローで醤油さしをなめるなどの迷惑行為を行った当事者が両親とともに謝罪したものの、スシロー側は刑事・民事の両面から厳正に対処する意向だという記事を読んで、それはそうだろうなあと思いました。

 昔なら、こういう事があったらしいという噂話で済みましたが、昨今のSNSで映像を見てしまうと、回転ずしに行くのが気持ち悪いという声が出てくるのも仕方がないこと。ましてやバズりたいという気持ちからか「客テロ」なんだから始末が悪い。

 決して許される事ではないし償いはすべきなのですが、親御さんの気持ち、そして本人の中学の卒業アルバムまでさらされているとなると、これがデジタル・タトゥーとなって、今後ずっとつきまとうわけです。成人しても、結婚したとしても子どもを持ったとしても。その怖さがまだわかっていなかったのでしょうし、SNSのリテラシー(正しく理解し、適切に判断、運用できる能力)教育をもっと徹底しなければいけないと改めて思います。

 私たちの世代は「自分がされてイヤなことは人にしない」ということを教育の中で何となくすり込まれてきましたが、それがもう通じないんだなということをしみじみ感じます。「日本人の性善説」というものが、いろいろな意味で限界に来ているんだとも。そこにはスマホやSNSの発達が影響していることは紛れもない事実です。

 例えば回転ずしにしても、以前はみんなでワーワー言いながら回っているお寿司を食べていたものですが、今はコロナの影響や個人の尊重ということで半個室化し、イタズラや悪さにも監視の目が行き届かない状況にあります。今回の事件で回転そのものをやめ、タブレットのストレートレーンに仕様を変える店も増えている。回転ずしも、そうやって変化しなければ時代にそぐわなくなってきているという事でしょう。

 銭湯にしても、街の写真店やタバコが吸える「純喫茶」にしても、時代にそぐわなくなると、ある種の形でしか残れないというか「時代」というものに淘汰されていく。

 今回の迷惑動画問題は株価にも影響が出るほどで、反省しても償いきれないほどのことです。それを「叩いても良い者」として利害関係がない人までもが袋叩きにするのはいかがなものかと思いながら、昔は画期的なシステムとして高価なお寿司をリーズナブルにそしておいしくいただけた、あんなに楽しかった回転ずし自体が、令和のこの時代では形態を変えなければならないのだということに、昭和生まれの私は一抹の寂しさを感じてしまいました。

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