国内外で1000店舗を展開する「丸亀製麺」は、トリドールホールディングス（東京都渋谷区）が2000年から運営するうどん店チェーンですが、実は元祖・丸亀製麺が讃岐うどんの本場・香川県丸亀市にあるのをご存知でしょうか。
全国チェーンの丸亀製麺誕生以前から丸亀市で製麺所を開き、地元のスーパーなどに卸してきました。年季の入った木の看板に手書きされた「丸亀製麺」。どんなうどんを作っているのでしょう。「食堂ではなく、市内各所にうどんを卸す製麺所なので、その場で食べることはできないが、うどんを買うことができた」とTwitterで報告した幣束（@goshuinchou）さんと元祖・丸亀製麺に聞きました。
工場のようだった
ーー元祖・丸亀製麺を知ったきっかけを教えてください。
幣束さん「たまたま丸亀のうどん屋を調べてたら、チェーンじゃない丸亀製麺があると知って、是非行ってみたいと思いました、『丸亀 製麺所』とかで検索したら偶然出てきました」
ーー店構えや大将の様子について教えてください。
幣束さん「店構えは本当に店舗ではなく工場のようで、ネットの情報がなかったら全くわからないですね。店主の方は普通の男性で、市内スーパーなどにうどんを卸してて、配達から戻ってこられた時に来店しましたが、嫌な顔とかされなかったので良かったです」
幣束さんは丼、割り箸、薬味などを持参しており、近くの公園で白だしをかけて食べました。
幣束さん「公園で自分で食いましたが、本当に美味しかったです。茹でたてじゃないけど大丈夫ですか？と店主に言われたので茹でたてだとさらに美味いんだろうな、と驚きました」
「ネットの情報だと午前中に行けば買えるとのことでしたので、個人客で買いに行く人も少ないですがいるようです」
ーーチェーン店の丸亀製麺との違いについて教えてください。
幣束さん「チェーン店の丸亀製麺も美味しいのですが、丸亀とは本来無関係のお店とのことですので、こちらこそ丸亀にある丸亀製麺、ということだと思います」
ーー今後、来店を検討する方へアドバイスはありますか。
幣束さん「ツイートしちゃった私が言うのはなんなんですが、あくまで製麺所であって個人購入は店主のご好意だと思います、午前中の早い時間（9時営業開始）に行けば買えるようですが、配達などで留守の可能性もあります。私も行った時は誰もおらず、数分待ったら出先から戻ってこられたので買えたので運が良かったです、買えなくても仕方ないってかんじで…。どうしても食べたい時は市内スーパーで浦島うどんの名で売られてるのが丸亀製麺のものですのでそれを買われるといいです。もちろん丼や調味料はご自身でご用意下さい」
創業1969年 チェーン店への苦情が相次いだことも
元祖・丸亀製麺の細川孝司社長さんにも話を聞きました。
ーー卸売り専門なのでしょうか？
「卸売り専門ですね。スーパーや病院など施設にも卸しています。（個人客向けの）玉売りも1玉80円で販売していますが、私がうどんを作っては配達に出てーの繰り返しで、不在にしていることが多いんです。午前9時～正午くらいまでに来ていただいて、誰かいたら提供できると思うんですけど…。ゆでたてをお求めなら午前9時ごろに来てもらったら。
多忙の際はお断りすることもありますし、丼、箸、薬味など必要なものはすべて持参してもらわないといけませんので、その点もご了承いただけたら」
ーー創業はいつですか？
「1969年です。私で4代目です。（2000年に丸亀製麺を始めたトリドールから挨拶は？）そういうのは全然ありませんね。小売りと卸売りで土俵が違うからじゃないですか。気を使ってくださっているのか、丸亀市に出店されていませんし（笑）。
でも、一時期はチェーン店の丸亀製麺の苦情の電話が相次ぎましたね。あの、ざるにカビが生えてた報道が出たことがあったじゃないですか（編集部注・2003年、チェーン店の丸亀製麺のざるの裏側にカビが生えていていた不祥事。運営するトリドールは約1カ月、事実を公表せず、報道機関の問い合わせを受けて謝罪文を掲載した）。あの頃はうちが（トリドールの）本社だと思ったみたいで、『接客態度は悪い』『（トリドール）本社の電話番号を教えろ』とか言われましたね。最近は減りましたけど」
元祖・丸亀製麺は地元スーパーで「浦嶋うどん」という商品名で販売されています。製麺所もお忙しそうなので、確実に元祖の味を楽しみたい方は丸亀市内のスーパーへどうぞ。
