「ここに橋が欲しい人、割といる説」という声に同意する声が続出し、重工業メーカーのIHIも反応するなかで、“待った”を掛けたアカウントが。切実さが滲むフェリー会社の真意を聞きました。
神奈川県の観音崎から、千葉県の富津岬まで結ぶ橋を求める人が多いのでは、と地図とともに投稿したのは神奈川県にまつわる情報を発信する神奈川(@GreaterKanagawa)さん(非公式)。「あったら便利だよねー」「千葉によく行くので欲しいですね」「おそらく国道16号扱いとなり、完全な環状線になりそうですね。久里浜ー金谷のフェリーも無くなりそうです」「大型船舶がひっきりなしに通るから、アクアライン※のようにトンネルなら実現しそう」などの声が(※東京湾アクアライン:神奈川県・川崎と対岸の千葉県・木更津を15分でつなぐ道路。川崎からの約9.5kmがトンネル)。
橋を歓迎する人が多い中、神奈川県・久里浜から千葉県・金谷まで運航する東京湾フェリーの公式アカウントが、「みんなフェリーで渡ろうよ・・・(震え声)」と反応。その投稿には、「頑張ってください。ふと船で旅がしたくなったらいつも乗ってます」「東京湾フェリーは運転しなくていいのが楽でよく使う。朝イチで行って40分寝れるし」「館山から横須賀行く時よく使っています」「先日、金谷から久里浜迄フェリー 乗船しました!」といったコメントが寄せられました。
アクアライン開通とコロナ禍で乗船数は「全盛期の3分の1ほど」
寄せられた声についてどう受け止めているのか、現在のフェリーの運航状況はどのようなものなのか、「中の人」にたずねてみました。
――どのような思いから、「みんなフェリーで渡ろうよ・・・(震え声)」とコメントされたのですか?
「正直なところ私個人として、そこに橋が掛かったら嫌だなという気持ちがありまして、“フェリーがあるよ”というのをこっそり発信したいというのが目的でした」
――投稿を見た人からのたくさんの反応については、どのように受けとめられていますか。
「思いのほか反響があり中の人としては驚いておりますが、“フェリーだからいい”“応援してます”などのお声をいただき、この航路はまだ期待されているんだと再認識することができました」
――東京湾フェリーの近年の利用状況はどのような状況ですか。
「平成9年のアクアライン開通後、徐々に利用される方も減少していきました。また昨今のコロナウイルスの感染拡大で、現在では全盛期の3分の1ほどの乗船数となっております。燃油の高騰もあり経営状況は厳しいですが、ご利用いただいているお客様のためにもなんとか維持をしていければと様々な手を打っております」
――フェリーならではの良さや利便性は?
「乗船する度に新たな楽しみが見つかることがフェリーの魅力だと思っております。三浦半島・房総半島の山々や往来する船舶を眺めるのは、非日常感があり旅をより上質なものにします。最近ですとアクアラインの渋滞が慢性化しているので、フェリーを活用すると渋滞もなくゆったりとした気持ちで対岸まで移動ができます」
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大型カーフェリーが久里浜港~金谷港間(11.5㎞)を片道約40分、往復約90分で運航する東京湾フェリー。「橋も良いけどフェリーも良い!! 旅行で遊んだ土地を眺めながら思い出に浸れるのはフェリーだけの特権です。ご家族、ご友人、そして一人でも、必ず特別な体験になります。車と人と思い出を運んでいるロマン溢れるフェリーですので、ぜひ一度ご乗船ください!」とのことです。車のほか、オートバイ、原付自転車、自転車ものせることができるので、さまざまなタイプの旅に利用できますね。
■東京湾フェリー【公式】(@tokyowanferry)のTwitter https://twitter.com/tokyowanferry
東京湾フェリー株式会社の公式ホームページ https://www.tokyowanferry.com/
■神奈川(@GreaterKanagawa)さんのTwitter https://twitter.com/GreaterKanagawa/status/1612406241040699394