山で放浪していたのを保護された柴犬 寂しそうな表情→人が大好きな甘えん坊に大変身

渡辺 晴子 渡辺 晴子

とある動物愛護センターから保護された柴犬の動画がInstagramで話題になりました。

投稿したのは、犬の保護活動に取り組む安倍誠さん(@makoto_abe15)。動画の柴犬は保護された後、元の飼い主は見つからず捨てられたようだとか。センターで殺処分を待つだけでした。そこで動物愛護センターから柴犬を引き取り、安倍さんが所属する保護施設に連れて帰ったとのこと。柴犬は推定8歳くらいの女の子。ヒビキちゃんと名付けられました。

投稿には「こんな可愛い子を捨てるなんて酷い」「柴犬は寂しがりやさんが多い」「いっぱい愛情下さる新しいご家族がみつかる事を祈っております」とヒビキちゃんの幸せを願う人たちからコメントが寄せられています。

安倍さんによると、ヒビキちゃんのように柴犬などの和犬系は「気性が難しい、扱いづらい」などというレッテルを張られ全国の保健所、動物愛護センターで殺処分に回ることも多いとか。今回ヒビキちゃんの保護を通じて、殺処分される犬たちのことなどを安倍さんに聞きました。

保護後、たくさんなでてあげたらすぐに甘えてきました

――動物愛護センターから引き出された柴犬のヒビキちゃん。放浪していたところを収容されたとか。

「はい、施設に引き取ったのは12月27日です。動物愛護センターでは収容されてから1カ月間ぐらい元の飼い主を探したけれども、見つからなかったと聞いています。柴犬系で警戒心もあってセンターでは譲渡活動が難しく、行き先がないとのことで最終的に保護しました」

――初めてヒビキちゃんと対面したときの印象は。

「初めて出会った時(12/27)は、不安や悲しみの中にいるようで、とても寂しそうな表情をしていたのが印象的です」

――施設にお迎えしてからのヒビキちゃんの様子はどうだった?

「保護後、施設へ連れて帰り、当日の夜に獣医師や検疫スタッフとヒビキの健康検査を行いました。その際にたくさんなでてあげたら安心してくれたようで、すぐに甘えてきました。ワクチン接種、採血やMC装着などの注射もおとなしくさせてくれましたね」

――保護した犬などの殺処分の判断基準は全国的にも曖昧で、単に人に対してのおびえや警戒からくるうなりが少しあっただけで殺処分の対象となることもあるそうですが・・・。

「全国の自治体の判断基準はよりけりだと思います。野犬が殺処分の対象となることも多いですが、愛護センターへの搬入が多くて収容ができない状態だと、人懐こい犬、子犬でも殺処分になっている地域もあると思います。特に四国(香川、愛媛、徳島)が殺処分が多いです」

四国で殺処分が多い理由とは?

――四国での殺処分が多い理由は?

「いろいろな原因はありますが最も大きい理由をあげると、やはり野犬が多いからです。野犬は警戒心が強いため、行政機関ではなかなか譲渡対象となっていないのが現状です。膨大な数の野犬が動物愛護センターに搬入されているので、殺処分も増えます。全国的に殺処分が多い地域は同じような理由があげられるかと思います」

――猫の場合、殺処分を減らすためお外の猫たちが増えないよう保護ボランティアさんたちがTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと)に力を入れているようですが。

「猫についてはTNRがもっとも効果的だと思います。一方、犬については法律によりTNR(リターン)ができなく、殺処分を減らすためには、まずは命をつなぐ保護活動が必要になります。その上で保護し、医療処置、人慣れ作業、譲渡活動などを進めて、保護と譲渡の循環を行っています」

――とはいえ、今回注目を集めたヒビキちゃん。里親さんを募集しているとのことですが、どんなワンちゃんでしょうか?

「保護後も毎日スタッフが散歩をしたり遊んであげたり愛情を与え、人が大好きな甘えん坊さんになっています。好きなことは、おやつとお散歩、特にお散歩が大好きです。散歩は散策することだけではなく、人と遊んだりコミュニケーションを取ったりできます。ヒビキは人が大好きなので、人と一緒に楽しい時間を送れる散歩が大好きです。散歩も引っ張らずに、人のペースに合わせてくれる、頭も良くてお利口さんです!」

動物愛護センターに収容されていたときはとっても寂しそうなお顔をしていたというヒビキちゃん。今は施設でスタッフの方々と触れ合いながら、甘えん坊さんになったそうです。きっと優しい里親さんが見つかるはず!

安倍誠さんのInstagramアカウント(@makoto_abe15)

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