もうすぐクリスマス。自宅でパーティーをする人も多いのではないでしょうか。いろんな食品を食べた後に出てくるのが、ごみの山。「フライドチキンが入っているのは紙だから、資源ごみだよね」と資源ごみに分別していませんか。しかし、間違っていることがあるようです。
ごみ収集歴11年の芸人、マシンガンズ滝沢さんは、「クリスマス前に知っておいて欲しいごみ知識です。おはようございます。ゴミ清掃員の滝沢です。ケンタッキーの容器、ピザの箱、紙以外のものが付いている飾り付け等がクリスマス後に数多く古紙で出されます。これらは古紙ではなく可燃ごみで〜す。24日に近付いたらまた載せますね!」と、ツイートしました。
リプ欄には、
「ケンタッキーやドミノピザに限らず、テイクアウトで油料理を提供する飲食業界に『使用後は古紙ではなく可燃ごみで出して!』と、ひと言印刷するくらいの義務があっていいと思います」
「前々から気になっていたのですが、お歳暮のカタログや町の広報などのツルツルした紙とプラスチックの間の子みたいな紙はリサイクルで良いのでしょうか?」
「どの容器にも『紙』というリサイクルマークらしきものが書かれていたので、古紙で出していました。(もちろんアクセサリー等は外してから)このマークが入っていても古紙じゃないとなると、もはや判別がつかないですね」
などたくさんの意見や疑問が寄せられ、「いいね」は1.7万件にもなりました。
言われてみればよく分からないごみがたくさんありますが、どのようにごみ出ししたらいいのでしょうか。マシンガンズ滝沢さんにお話を聞きました。
ーーケンタッキーのバーレルの容器は可燃ごみですか。
「そうです。例えば紙コップのように、一見紙のように見えるけどツルツルしているものは、プラでコーティングしてあります。バーレルの容器の場合、油もついているし、可燃ごみの日に出してください。カップ麺の容器など、紙にプラが混ざっているものもあります」
ーーピザの容器も可燃ごみなのでしょうか。
「はい、紙でできていたとしても容器にはピザの油やトマトソースなどが付いていることがあります。汚れた紙はリサイクルできません。インスタントのカップ麺の容器にも紙でできているものがありますが、洗って汚れを取り除いても匂いが残ってしまいます。匂いがする紙もリサイクルできません」
ーーリボンなどの飾りがついている容器も可燃ごみですね。
「取り除いていただいたらいいのですが、付いたままだと処理場で分別する時に可燃ゴミになります。でも、食品が入っていたものは汚れや匂いがついていることが多いので、可燃ごみになる可能性が大きいです」
ーーリサイクルマークが付いていても資源ごみとは限らないのですか。
「実は、リサイクルマークは消費者が分別する時のために付けているものではありません。メーカーがリサイクル料を払ったということが分かるように付けているのです。分別とは関係ありません」
クリスマスにたくさん出るフライドチキンやピザの容器ごみ。間違えないように分別したいですね!マシンガンズ滝沢さんは、こうしたごみに関する知識を詰め込んだ本「このゴミは収集できません」を出版しました。読みやすいエッセーマンガになっていますので、ぜひ手に取ってみてください。
角川文庫『このゴミは収集できません』
https://www.kadokawa.co.jp/product/322203001795/
◆マシンガンズ滝沢さんプロフィール
滝沢秀一(たきざわしゅういち)
お笑い芸人兼ごみ清掃員
1976年、東京都生まれ。太田プロダクション所属。
東京成徳大学在学中の1998年、西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012年、妻の妊娠を機に、ごみ収集会社で働きはじめる。ごみ収集の体験をもとにSNSや執筆、講演会などで発信している。
2018年、エッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)を上梓したあと、漫画『ゴミ清掃員の日常」(講談社)、『ごみ育』(太田出版)などを出版。2020年10月、環境省『サステナビリティ広報大使』に就任。最新刊『このゴミは収集できません』(角川文庫)を発売中。