2023年の干支は卯(うさぎ)年。京都「平安神宮」の北東に鎮座する「東天王岡﨑神社」(京都市左京区)は、うさぎに縁のある神社として知られています。境内のうさぎスポットを撮影する参拝客も多く、初詣を前に見どころを取材しました。
境内には「隠れうさぎ」の彫りも
794年の平安京遷都に際し、王城鎮護のために建立された社のひとつである同社。昔は野うさぎなどが生息していた洛外・都の東(卯の方位)に位置し、古くからうさぎが氏神の使いと伝えられているそう。うさぎが多産であることから「子授けの神」としても信仰されています。
参道や本殿前では「狛うさぎ」が出迎えてくれ、お参りをする本殿の左右には愛らしい「招きうさぎ」の姿も。社務所の北東にも「母子うさぎ」などの石像があり、宮司の本田享史さんは「よく見ると、参道や本殿の階段前にある狛犬の台座にも、小さなうさぎが彫られていますよ」と「隠れうさぎ」の存在を教えてくれました。
なかでも「手水舎」の黒御影石でできた「子授けうさぎ」像は、水をかけお腹をさすって祈願すると「子宝に恵まれ安産になる」と信仰を集めているとのことです。取材日も、多くの参拝客がこの像の周りにうさぎ柄の絵馬を奉納する姿が見られました。
「飛躍(ぴょん)守」などうさぎの授与品が多数
同社のうさぎにまつわる授与品は、御朱印帳、絵馬など数多くそろい、なかでもお守りは多種多様。長い耳でよい事がたくさん聞こえて来る=「福耳守」、幸福に向かって飛ぶ=「飛躍(ぴょん)守」、うさぎの人形におみくじが入ったお守りなど、選ぶのに迷ってしまいそうです(一部のお守りは数量限定のため、なくなり次第授与は終了)。
11月ごろから早くも参拝客が増えているそうで、年末に向けて「厄除け」お守りも人気とか。また、祭神である素戔鳴尊(すさのをのみこと)、櫛稲田媛命(くしいなだひめのみこと)とその御子にちなみ、「縁結び守」を求める女性参拝客も多いそうで、いずれも愛らしいうさぎ柄が目を引きます。
卯年を迎えるにあたり、本田さんは「昔も疫病が流行った歴史がありますが、人々はどうにか乗り越えてきた。境内には臥竜(がりゅう)のように、飛ぶ前に力をため臥(ふ)しているうさぎ像もいて、今は私たちもコロナ禍に耐える時。不安なご時世だからこそ、苦難もうさぎのように飛び越えていきたいですね」と話してくれました。
12年前の卯年の初詣は大行列となり、三が日には一部の授与品が授与できなくなったため、通常の参拝時間は朝9時から夕方5時ですが、年末年始は状況により変更の可能性があるそうです。
「東天王岡﨑神社」
京都市左京区岡崎東天王町51
公式サイト https://okazakijinja.jp/