ITエンジニアとして経験を重ね、スキルに自信もついてくるとフリーランスとして働きたいと考える人もいるのではないでしょうか。全国の正社員として働くエンジニア、正社員を経験し、フリーランスとして働くエンジニアの男女300人(各150人ずつ)に、フリーランスエンジニアへの転向について調査をしたところ、4割の正社員エンジニアが「フリーランスに興味あり」と回答しました。また、9割近いフリーランスエンジニアが「正社員には戻りたくない」と回答したそうです。
アン・コンサルティング株式会社(東京渋谷区)が、「フリーランスエンジニアへの転向意識調査」と題して2022年10月~11月の期間にインターネット上で実施した調査です。
まず、正社員エンジニア150人に「フリーランスエンジニアになることに興味がありますか」と聞いたところ、「とても興味がある」(16.0%)と「やや興味がある」(24.0%)を合わせて40.0%の人が「フリーランスエンジニアになることに興味がある」と回答しました。
また、「興味がある理由」については、「時間にとらわれない働き方ができそうだから」「場所にとらわれない働き方ができそうだから」(いずれも56.7%)が最多だったほか、「自分のやりたい仕事ができそうだから」(46.7%)、「年齢にとらわれない働き方ができそうだから」(33.3%)などが挙げられたそうです。
続いて、「フリーランスエンジニアになることに興味がある」と回答した60人に「フリーランスエンジニアになることの不安」を聞いたところ、「収入が安定しなさそう」(68.3%)、「仕事を見つけることが難しそう」(60.0%)などが上位を占めたほか、「福利厚生面でのサービスが不十分そう」(30.0%)、「自身の報酬単価設定が難しそう」(28.3%)、「確定申告などの事務作業面にとられる時間が多そう」(25.0%)といった収入以外にもこれまで会社に属することで得られていた住宅手当などの福利厚生や経理、総務などにかかわることが挙げられたといいます。
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一方、フリーランスエンジニア150人に「フリーランスになる前に抱いていた働き方を実現することができていますか」と聞いたところ、「ほぼ実現することができている」(30.0%)と「やや実現することができている」(43.3%)を合わせて73.3%もの人が「フリーランスになって自身の理想とする働き方ができている」と回答しました。
また、「フリーランスになって感じたこと」については、「時間にとらわれない働き方をすることができた」(38.0%)、「1人で仕事をすることが苦ではなかった」(37.3%)、「持っていたスキルで仕事を回すことができた」(35.3%)、「場所にとらわれない働き方をすることができた」(34.7%)といった回答が上位に並びました。
ちなみに、「フリーランスになってからの収入」については、15.4%の人が「収入がフリーランス初年度よりも51%以上増加した」と回答。「最高月収」では、最大「1500万円」という回答もあったといいます。
続いて、「正社員エンジニアに戻りたいですか」と聞いたところ、「戻りたくない」(48.7%)と「あまり戻りたくない」(37.3%)を合わせて86.0%の人が「正社員エンジニアは戻りたくない」と回答しました。
最後に、全回答者に「正社員エンジニアとして感じた激務エピソード」を聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽徹夜でテストとバグの改修をした(男性30歳)
▽開発多忙期に納期に間に合わせるために徹夜して朝帰りだった(女性31歳)
▽深夜残業、休日残業、その上残業代カット。体を壊し入院しそうになった(男性45歳)
▽3カ月連続して500時間オーバーの勤務時間にも関わらず、固定給で時給が500円を切っていた(男性42歳)
▽スキルが不十分だった頃に災害によるイレギュラーな業務が大量にありついて行くのがやっとであった(男性42歳)