葬儀の形式は「家族葬」が主流 かかった費用…「81~100万円」「41~60万円」に回答集まる

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弔いの形も多様化している昨今では、葬儀費用はどのくらいかかるものなのでしょうか。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に居住しており、5年以内に親族または友人・知人が亡くなった経験がある20~99歳の男女400人(参列した300人・参列しなかった100人)に葬儀について調査をしたところ、半数以上の人が、葬儀の形式は「家族葬」と回答しました。また、葬儀費用については、「81万円~100万円」「41万円~60万円」などに回答が集まったそうです。

仏事関連総合サービスの株式会社メモリアルアートの大野屋(東京都立川市)が、「弔い不足に関する調査」と題して2022年10月に実施した調査です。

まず、葬儀経験者300人に「葬儀の形式」を聞いたところ、現在主流となっている「家族葬」(55.3%)が最多となり、5年間で21.5pt増加していました。他方、人数に制限をかけない「一般葬」(30.7%)は27pt減少しているといいます。

なお、「直葬」(6.3%)、「一日葬」(7.0%)は1割に満たないものの、一日葬は増加傾向にあるそうです。また、同社の葬儀実績でも、2010年と2020年を比較すると大幅に「家族葬」(36%→78.7%)が増加しているといいます。

続いて、葬儀の「費用」を聞いたところ、「81万円~100万円」(9.0%)、「41万円~60万円」(8.7%)、「21万円~40万円」(7.3%)と続き、「100万円以内」と回答した人を合わせると38.0%となりました。

また、「葬儀の満足度」については、「満足」(27.0%)と「ほぼ満足」(50.3%)を合わせて77.3%の人が「満足」と回答。一方、「やや不満」「不満」と回答した人は9.0%で、その理由として、「希望の葬儀の形式をとれなかった」 「お別れの時間が足りないと感じた」 「準備に時間をかけられなかった」などの声が寄せられ、残された側の気持ちとして、納得のいく充分なお別れができていないと感じていることがうかがえたといいます。

さらに、「葬儀の内容を決めるうえで迷った点、困ったと感じる点」を聞いたところ、「適正価格がわからない」(30.3%)、「訃報を誰にどこまで連絡するのか」(21.7%)、「どの葬儀社を選ぶべきか」(18.7%)といった回答が上位に並びました。その中でも、「訃報を誰にどこまで連絡するのか」「どの葬儀社を選ぶべきか」「まわりに相談できる相手がいなかった」「どういった規模で行うのがよいか」が増加傾向にあるそうです。

   ◇  ◇

コロナ禍での「葬儀の参列機会」について聞いたところ、42.6%の人が「減った」と回答。そのうち、非参列者100人では57.0%が「減った」と回答しました。

また、非参列者100人に、「参列できなかった理由」を聞いたところ、「コロナ禍のため自粛した」(44.0%)、「遠方のため」「家族葬のため遠慮した」(いずれも20.0%)といった回答が上位に挙げられました。そのうち、「参加できなかったことで、悔やむ気持ち」の有無を聞いたところ、53.0%の人が「ある」と回答、特に葬儀の時期が「1年以上3年以内」の人では60.5%とその割合も高くなっていたといいます。

非参列者のうち、「弔い不足」を感じている53人に、「もう一度お別れする機会が欲しいですか」と聞いたところ、60.3%の人が「欲しい」と回答しており、参列できなかった人にも、供養の機会や「弔い不足」を解消できる方法の提供が必要であることがうかがえたそうです。

全回答者に「後悔や心残りに感じていることはありますか」と聞いたところ、29.3%の人が「ある」と回答。特に葬儀の時期が「1年以上~3年以内」の人では36.1%と高い結果になりました。

なお、喪主・喪主の家族では30.6%が「ある」と回答しており、葬儀を行なったにも関わらずそれでも後悔や心残りは持ったままであることがうかがえたそうです。加えて、「非参列者」では38.0%と喪主・家族よりも高くなっていたといいます。

また、「後悔や心残りに感じていることがある」と回答した117人のうち、45.3%の人が「もう一度お別れする機会が欲しい」と回答。特に葬儀に参列できなかった人では、55.2%がお別れする機会を望んでいることが分かったといいます。

最後に、「葬儀で心残りや不満に感じたエピソード」を聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられたそうです。

▽なくなる前にもっとできることをやっておけばよかったと悔いている
▽入院中も見舞いにあまり行けなかったため、心残りに感じている
▽どこに連絡して、葬儀を頼めば良いかがわからず、紹介されたままに、葬儀を進めてしまった事を後悔しています
▽急なことだった事、コロナ禍で家族間でもなかなか顔をあわせられなかった事。慌ただしく、葬儀を進めるしかなかったこと

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調査を実施した同社は「様々な社会情勢が複雑に関連し、弔いの形も多様化したことから、特に近年、小規模化・簡素化した形式が注目されています。これらは、無駄を省き、経済的にも納得感があるメリットがある一方、後悔や心残り『弔い不足』を感じる人が出てきていることもわかってきました」と説明。

さらに「様々な選択肢が増える中、万人にマッチする選択肢は無く、安易に流行りを選ぶべきではありません。たとえ突然のご不幸で準備不足や知識がない場合でも、相談や要望、些細な気持ちも遠慮なく事業者に伝えることをおすすめします」とも述べています。

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