増え続ける「空き家」所有率は1割超 「解体はお金がかかる」「売却したくても買い手がいない」などの声

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総務省統計局が実施している「住宅・土地統計調査」(2019年4月発表)によると、空き家数は全国の住宅の13.6%(846万戸)も占めているそうです。そこで、全国の40~69歳の男女4000人に空き家について調査をしたところ、約1割の人が「自身または配偶者が所有している空き家がある」と回答しました。また、空き家のままにしている理由については、「解体はお金がかかる」「売却したくても買い手がいない」「活用したいが、どうしてよいかわからない」などの回答が寄せられたといいます。

不動産売買のプロが分かるサイト『おうち売却の達人』を運営する全国不動産売却安心取引協会が、「空き家についての調査」と題して2022年10月に実施した調査です。

同調査によると、11.4%の人が「自身または配偶者が所有している空き家がある」と回答。また、「ある」と回答した457人に「所有している空き家のある場所」を聞いたところ、「地方都市」(41.1%)、「それ以外」(13.1%)、「5大都市以外の政令指定都市(※1)」(12.9%)、「東京23区」(9.4%)、「5大都市(※2))」(9.0%)、「山間部」(8.5%)、「首都圏の主要都市」(5.9%)と続きました。

※1:札幌市・仙台市・さいたま市・千葉市・川崎市・相模原市・新潟市・静岡市・浜松市・堺市・岡山市・広島市・北九州市・福岡市・熊本市
※2:横浜市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市

続いて、「空き家のままにしている理由」を聞いたところ、「解体はお金がかかる」(25.4%)、「売却したくても買い手がいない」(23.2%)、「活用したいが、どうしてよいかわからない」(23.0%)といった回答が上位に並びました。

次に、「その空き家について不動産のプロに相談するなら、何を一番相談したいですか」と聞いたところ、「売却したい」(36.5%)が最多となり、2位の「何かに活用したい」(17.1%)を20pt近く引き離す結果となったそうです。

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年々増え続ける空き家は、人口の減少や新築住宅の供給過多などが原因とされています。空き家が放置されると、建物の老朽化による倒壊や崩壊の危険性が高まるだけでなく、ゴミの不法投棄の誘発、防災・防犯機能の低下など様々な悪影響を及ぼすといいます。

宅地建物取引士、行政書士などの資格を保有している山田大史氏は、空き家の活用方法として大きく分けると①賃貸に出す、②更地にして駐車場にする、③売却の3つの方法があるとし、特に①③の方法について以下のようにアドバイスしています。

【1:賃貸に出す】
賃貸に出す場合、都市部は借りてもらえる可能性がありますが、地方都市は、空き家のある地域のターゲット層に向けたリフォームやリノベーションを施すと良いでしょう。
▽地方都市の空き家:部屋数が多い場合は、シェアハウスや学生寮、会社の寮など。
▽郊外の空き家:コロナの影響によるテレワークの普及で、二拠点・多拠点生活者向けの賃貸物件の需要が高まっています。

【3:売却】
売却したいけど、「思い出が残っている」「荷物を片付けたり処分したりできない」など気持ちの整理がつかなくてという場合は、地元の不動産会社などに空き家の管理を委託する方法もあります。
管理内容や頻度にもよりますが、マンションは月額5000円程度、戸建は月額8000円~1万円程度です。清掃・植栽、空気の入れ替え、水を流す、郵便物の確認、災害後の確認などを動画で報告してくれる会社が良いでしょう。空き家を管理してもらうことで、近隣とのトラブルを回避することもできます。

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以上のアドバイスのほかにも山田氏は「空き家は、放置しておくことで建物がどんどん傷み、周囲のリスクにもなるだけでなく、災害による被害ダメージも大きいです。また、時間が経つにつれ不動産としての評価も下がってしまいます」と説明。

さらに「所有している空き家をどうしたらいいのか悩んでいる、実家を相続したけど住むことができないなどといった場合は、空き家の活用・処分・管理を得意とする不動産会社または担当者に、まずは相談してみてください。良い解決法をアドバイスしてくれると思います」と述べています。

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【出典】
▽​おうち売却の達人 調べ
https://ouchi-baikyaku.com/

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