「ぐるぐるだよね?かりんとうってぐるぐるだよね???」。かりんとうの日の11月10日、岩手県広聴広報課の公式アカウント(@pref_iwate)が発した、控えめながらも同意を求めるツイートに、Twitterユーザーが戸惑っています。えっ、かりんとうって棒状じゃないのか…?
聖徳太子の時代に大陸との交流が始まり、遣隋使によって唐菓子がもたらされます。伝来した菓子は京都を中心に上菓子として発達しますが、政治の中心が江戸に移り、江戸好みの味の雑菓子が創作されました。江戸中期(1740年ごろ)に小麦粉を棒状にして油で揚げ、黒砂糖を使った物が、かりんとうのルーツとされています。
「かりんとうの形は棒(スティック)でしょ」に一石を投じた岩手県のツイート。「え? かりんとうって棒じゃないの?!」「これ、岩手来たとき初めて出会って衝撃受けた」と驚きのコメントの一方、「岩手のかりんとうはぐるぐるが多い…」「かりんとうはぐるぐるだよ。世界の真実だよ(過激派岩手県民)」というぐるぐる支持も。岩手県広聴広報課に聞きました。
ー岩手には棒状のかりんとうは存在しないのですか
「ぐるぐるのかりんとうは、道の駅やお土産屋さんなど、県産品を取り扱っているところでよく見かけます。しかしながら、棒状のかりんとうが全くないというわけではありません。スーパーでは棒状のものも販売されていますし、ぐるぐるのかりんとうを製造している菓子店でも棒状のかりんとうを製造しているところもあります」
ーそんな中、ぐるぐるが優勢ですか
「職員の一人がお土産として岩手県外のかりんとうをもらった際『あれ?かりんとうってぐるぐるじゃないの?』と疑問をもち、県内のかりんとうを調べたことが、このツイートのきっかけです」
ーご当地ネタが盛り上がりました
「このツイートで、岩手県のおいしいかりんとうに注目が集まってくれるとうれしいです」
昭和21年創業でかりんとうをはじめとする菓子専門メーカー「東京カリント」によると、現在のかりんとうは、1875(明治8)年、浅草仲見世・飯田屋がつくった「棒状の物に黒砂糖を付けた素朴で単純な甘味」が大衆の支持を得て下町一帯に広まったのが始まりといいます。
お菓子の名前には『その形・色・香り』と『食感』から付けられたものが非常に多く、「かりんとう」もその由来に諸説あるそうです。「花林の木の色に似ている」「カリカリと食べるときの鳴音“かりん”に砂糖の“糖”を付けた」のが主説となってます。