犬より人間大好き、スパイダーマンのような保護犬 高さ2メートルの金網をよじ登り「構って」アピール

松田 義人 松田 義人

 

広島にある行き場のない犬の保護・譲渡活動を行うピースワンコ・ジャパン(ピースワンコ)。同団体には今日も数多くの保護犬が引き出され、一頭ごとの性格、健康状態などに合わせて、トレーニングなどを行い、その命に寄り添ってくれる里親さんへの譲渡活動を行なっています。

同団体の関東にある施設「世田谷譲渡センター」には、新しい里親さんを待つ4〜5頭のワンコがいますが、今、とびきり人懐っこく「遊んでアピール」がすごいワンコがいます。マヤちゃんという推定5歳8ヶ月のメスのワンコです。

仲間のワンコよりも人間のほうに寄っていくように…

もともとマヤちゃんは、多頭飼育で飼われていたようですが、飼育放棄で愛護センターに持ち込まれ、2022年1月に引き出されたワンコです。人間に飼われていた経験から、すでに人懐っこいワンコでしたが、マヤちゃんと飼われていた複数のワンコも一緒に引き出したにもかかわらず、仲間のワンコよりも、だんだん人間のほうに寄っていくように……。

スタッフの推測では、それまでの環境と変わって、一頭一頭きちんと愛情を注いでもらえるようになったことで、より一層甘えん坊さんになったのではないかと思われます。

 

ケージの金網をよじ登っての「構って」アピールも

とにかく人懐っこいマヤちゃんですが、逆に言うと、放っておかれることがイヤで、どうも分離不安の気があるようです。マヤちゃんが求める「遊び」にスタッフが応じないと、寂しくなって吠えたり、ときには全高2メートルほどのケージの金網をよじ登って「遊ぼう」「構って」アピールをすることも。「上腕筋が鍛えられているからだと思いますが、その姿はさながらスパイダーマンですよ……」とスタッフは言います。

また、スタッフは「そうやってマヤちゃんが金網をよじ登ったり、ケージを飛び越えようとした際に怪我をしないように注意している」とも言いますが、逆に言うと「マヤちゃんが自分だけで留守番をする時間を、できるだけ作らない」ことに気をつけられれる里親さんでないと、譲渡は難しいのでは……ということでもあります。

 

マヤちゃんにピッタリの里親さんを焦らず探し中

 

無類の甘えん坊で人間好きの振る舞いから、譲渡会などでは特に人気のマヤちゃんですが、逆に言えば、「構ってあげられない」人間の元では、楽しく幸せな生活をおくることができず、かえってストレスフルな日々を過ごすことになります。

こういった懸念や長年の経験から、スタッフはそのワンコの性格、健康状態、バックボーン、コミュニケーション術が全く違う一頭一頭を大切に、最適の里親さんを判断した上で譲渡を行なっています。

現在、マヤちゃんには里親さん候補が見つかっていない状況ですが、スタッフはご理解のある優しい方とのピッタリのマッチングを目指していると言います。

マヤちゃんはもちろん、一頭一頭、第二の犬生が楽しく幸せになることを願い、ホスピタリティ溢れる活動を続けるピースワンコ。今後の活動の動向にも要注目です!

ピースワンコ・ジャパン https://peace-wanko.jp/

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