男装イケメン女子を、元宝塚男役スターが! 思わぬ配役が話題に プロデューサーが語る「男も惚れる格好よさ」

小野寺 亜紀 小野寺 亜紀

今秋10月20日からスタートするドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』が、開始前から早くも盛り上がっている。理由は大きく3つ。現在4巻で累計発行部数60万部を突破した蒼川ななさんの同名マンガの実写化、元宝塚男役スターたちが男装イケメン女子役、また、そんな男装女子と合コンで出会う大学生を演じるのはいずれも今後活躍が期待される俳優たちということだ。

本作のエグゼクティブプロデューサーである関西テレビの中畠義之さんは、「発表してから、社外からの反響が大き過ぎて、社内の人々が驚いたほど」と話し、SNSでは「元宝塚歌劇団男役のスターの方が出るというのは…確かに期待してしまう」「原作好きなので実写化に驚きが隠せませんでしたが写真見て…蘇芳さん(主役)のカッコよさにやられた」と期待するコメントが続出している。

あまりの反響に、急遽10月13日に『新ドラマ「合コンに行ったら女がいなかった話」見どころSP』の放送も決定。そこで、中畠義之さんに、ドラマ誕生のいきさつや、撮影でのエピソードなどを聞いた。

女性と分かっていながら、そのイケメンぶりにときめく男子たちのほのぼのとした“キュン”が詰まっている同タイトルの原作マンガ。ドラマでは、男装バーでアルバイトをしている“正統派王子様系男装イケメン”の蘇芳(スオウ)を、男役時代から特別な煌めきを放っていた元宝塚歌劇団星組の男役スター・七海ひろきさんが演じる。実は、今回がドラマ初出演・初主演だ。

さらに、元花組男役スターの瀬戸かずやさん、元星組男役の如月蓮さんと宝塚歌劇OGが顔を揃え、井上想良さん、小西詠斗さん、増子敦貴さん(GENIC)の若手注目俳優が、男装イケメン女子に翻弄される大学生に扮する。

「『この人、なんでこんなに格好いいんやろう!』と驚いた」

中畠さんはこれまで『不能犯』『10万分の1』など映画製作のプロデュースを数多くこなし、このたびカンテレが新たに深夜に展開する、エッジの効いたドラマ枠「EDGE」の第一弾として本作を制作した。作品選びのきっかけは、昨年2月、生配信舞台「マーダーミステリーシアター『演技の代償』」で七海さんに出会ったこと。

「初めてご一緒して、『この人、なんでこんなに格好いいんやろう!』と驚き、またお仕事をしたいなと思っていました。僕は映画も担当しているので少女コミックもよく読むのですが、この原作は男装の女子が登場して始まるところから面白くて、七海さんにぴったりだなと。それで七海さんのところにドラマ化でのご出演について相談すると、ご本人も原作を読まれて『面白いですね』となり、とんとん拍子に話が進んでいきました」。

「1巻1話」と言われる原作もののドラマの世界で、当初2巻しか発表されていないマンガを10話のドラマにできるか悩んだというが、原作サイドに了承してもらったという。「蒼川先生は現場にもいらっしゃって、『すごく面白いです。原作のイメージにぴったり』と最大限のお褒めの言葉を下さいました。そしてキャスト全員にその場でイラストを描き、プレゼントされていて。本当にご協力いただき感謝しています」。

“リアル蘇芳”な七海ひろきのイケメンぶりとオフのギャップ

七海さん演じる蘇芳(スオウ)は、ドラマでは大学院生という設定。「とにかく立ち居振る舞いが自然で格好いいんですよ! 原作のエピソードはできる限り盛り込んでいて、男装の格好のまま大学に来ているというのも原作通り。みんなで動物園へ出かける途中の、車を運転する蘇芳のエスコートぶりも、忠実に再現しています。七海さんは、普段でもそういう(スマートな)ことをしていそうなイメージがありますね。すごい至近距離で井上想良くんは決め台詞を言われるので、きっと彼は緊張したと思いますよ」。

撮影は今年5月、6月に敢行。10話分の台本は撮影前にすべて渡したという。「七海さんは初めてのドラマで、台本をどうやって覚えたらいいかなど心配されていましたが、しっかり頭に入れられていました。また、オフは撮影時の格好よさとは違うギャップがあって、雨で撮影が中断すると、『雨、やめ~』みたいなダンスを踊られたり、お茶目でかわいらしかったです(笑)」。

蘇芳に合コンに誘われ、そのイケメンオーラに圧倒されるのが井上さん演じる常盤(トキワ)。「この役は“天然”で、蘇芳との距離感が分かっていないという役どころ。彼自身難しかったと言ってましたが、適役でしたね。七海さんが初めてのドラマ出演ということで、演技のうえでは井上くんがリードしてくれたのでは。今回、瀬戸さんも如月さんも初ドラマだったのですが、すぐにキャスト6人でグループラインを作ったようで、演技の話などしながら、男性3人が陰で引っ張ってくれていたと思います」。

「とてつもないオーラ」の瀬戸かずやは宝塚の男役に一番近い役

アダルトな色気と品を醸し出す男役として活躍し、昨年宝塚を卒業した瀬戸かずやさんは、男装バーのオーナーをしている藤(フジ)役。漫画作家の一面もあり、絵の資料を求めてシャッターを切る姿がまさに“クール系男装イケメン”。

「瀬戸さんも初めてお会いしたときのオーラがとてつもなく、七海さんとは違う格好よさを感じました。瀬戸さん演じる藤は感情が大きく揺れることなく、オーナーらしくドンとしています」。そんな瀬戸さんは、普段とはギャップがあるそうで「撮影でのスイッチの入り方がたまりません」と中畠さん。「ドラマの中で一カ所、男装をしていないシーンがありますが、オフの普段の姿に近いのかなと思いました。そこも見どころのひとつです」。

そんな瀬戸さんが演じる藤に撮影モデルとしてスカウトされるのが、小西詠斗さん演じる大学生の浅葱(アサギ)。「小西くんは可愛らしいワンコキャラの浅葱役がハマっていて、時にオラオラ系の瀬戸さん演じる藤との組み合わせがばっちりでした。同人誌の即売会シーンで、首輪をつけられて登場するところも面白いですよ。二人のコンビぶりはとても魅力的です」。

また、男装バーの店員で、“俺様系男装イケメン”を努力して目指す琥珀(コハク)役は、星組で幅広い役をこなした演技派でありダンサーでもある如月蓮さん。「非常に明るく、彼女がいると場が和むムードーメーカーな方。役柄的に金髪に染めてこられるなど、原作のイメージ通りに演じてくれました」。

琥珀との絡みが多い萩(ハギ)役は増子敦貴さん。「ド天然で、一人で悩みまくり、空想の世界に入っているような役柄なので難しかったようですが、如月さんがうまくリードしてくださって面白い芝居になっていますよ」。

じゃんけんで負けたらジュースをおごる、サークルの仲間みたい

最初の顔合わせで監督は、根っからのイケメン役を演じる七海さんと瀬戸さんに、「お二人はそのままでいてください」とアドバイスしたという。宝塚で長年磨いてきた男役芸が、仕草などにしみついているからだろう。「男性キャストたちは、『元宝塚の3人は格好よすぎる。悔しい!』と言っていましたね。6人が歌う主題歌『HEART BEAT』のミュージックビデオでも、ダンスや歌がうまくて驚いていました」。

そんな男性キャスト陣についても、数々の映像やステージで魅力を発揮している「成長株の3人」と太鼓判を押す。役柄的にはピュアでユニークな存在感を出しているが、「監督から、『君たち、ベースは格好いいから、そこは崩し過ぎないように』と言われていました」。

6人は撮影現場でも仲が良く、サークルの仲間みたいな感じだったという。「じゃんけんで負けたらジュースをおごる、みたいなことをやってて、とても楽しそうでした」。原作にある通り、色々な場所へ出かけるなかで、6人の絆が深まっていったようだ。最後のロケでは、一日中静岡の洞窟で撮影。「外は暑いのに、中はものすごく寒くて体力的にも大変だったと思いますが、乗り切ってくれました」。

そうして仕上がった全10話に、中畠さんは大きな自信を見せる。「普段アニメを手掛けている脚本家や、バラエティー番組を作っている監督が入ったので、劇画っぽくコミカルな作品に仕上がり、原作ファンの方を裏切らないものになったと思います」。

男とか女とか関係なく惚れる、今の時代にマッチした原作

男役と親和性の高い作品を偶然見つけた中畠さんだが、自身も宝塚歌劇の舞台はこれまで4、5回観劇。新入社員の頃には研修で宝塚大劇場へ行き、大階段を下りたこともあるぐらいで、「気持ちは近く、いつか一緒に仕事をしたかった」という。

「男役さんたちを観ていると格好よすぎて、男ながらに悔しくなりますよね(笑)」。本作も男性が性別を超えてイケメンにときめくというのが斬新だが、「きっと、男とか女とか関係なく惚れちゃうんです。人間力ですよ」。今や、男性がメイクをするのも普通になり、美しいもの、格好いいものを心のボーダーなく追いかけられる時代となった。

「今の時代だからこそ出てきた漫画なのでしょうね。これからもこのドラマ枠では、ジャンルにとらわれず、ゴールデンではなかなかできないエッジの効いた作品を発信していきたいと思います」。

◇ ◇

『合コンに行ったら女がいなかった話』は、関西テレビとTOKYO MXで10月20日にスタート。出演者のアクリルスタンド、劇中にも登場するキーホルダーなどのドラマ公式グッズもすでに販売中となっている。

『合コンに行ったら女がいなかった話』
10月20日放送スタート 全10話
関西テレビ:毎週木曜深夜0時25分~
TOKYO MX:毎週木曜深夜1時~
見逃し配信:カンテレドーガ・ TVer
https://www.ktv.jp/goukon/

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