「嘘みたいだろ。ケーキなんだぜ。これで…」のコメントとともに投稿された画像に驚く人が続出しています。
投稿したのは、フランス菓子専門店「オクシタニアル東京」(東京都中央区)でシェフパティシエを務める中山 和大@オクシタニアル(@nakazuhir0、以下中山)さんです。華やかな経歴を持つ中山さんに、なぜカレーのようなケーキを作ったのか、くわしく話を聞きました。
写真に写っているのは、大きな洋皿。ふっくらおいしそうなライスと甘口カレーのような色合いをしたカレールーがちょうど半々くらいのバランスで盛られています。
カレールーのちょっととろみがあるような感じといい、ご飯にかかったルーの見た目といい、どう見てもカレーです!この投稿に驚嘆する人がたくさん!
「またまたぁ☺️カレーですよね…⁇え、カレーですよね…⁇」
「カレーのクオリティが高すぎて、頭が追いつかないです😂」
「すご過ぎてもう笑うしかないwww」
「どう見てもカレー🍛!!食べたら頭の中がバグると思います😂💦」
「最先端のデセールですね笑」
「これはどうみても、なめらかチキンクリームカレーだな…」
「す、すごい✨面白すぎます!」
「華麗なケーキってか?」
このカレーにしか見えないケーキを制作した、投稿主の中山さんに話をおうかがいしました。
中山さんは、お菓子の世界大会の日本代表として3度の出場経験を持つ熟練のパティシエです。現在はたねやグループが展開するフランス菓子専門店「オクシタニアル東京」でその腕を振るっています。このカレーのようなケーキも、お客様から「こんなの作れる?」というリクエストから誕生したそうです。
――このカレーのようなケーキは何で作られているのでしょうか?
「ご飯の部分は、お米を牛乳と砂糖で柔らかく炊いたライスプティングで、フランス語でリオレと言います。そのままだと食べづらいと思い、オレンジの香りをつけています。カレールーの部分はチョコレートムースです。ミルクチョコとホワイトチョコで色味を調節して再現度にこだわりました。特にご飯とルーの境界線を見てもらいたいです。ちなみにスプーンですくったとしても、断面もカレー風になっています」
――なるほど!味の想像ができません。どのような味わいでしょうか?
「味わいは激甘口カレーですね。とは言えチョコレートとオレンジは相性がいいので見た目よりは美味しく食べられると思います」
――このケーキ、販売はしてらっしゃいますか?
「いえ、リクエストくださったお客様の特注として制作しましたので販売はしておりません。ただ、すごく反響がいいのと食べてみたいと言う方がたくさんいらっしゃったのでエイプリルフールにでもゲリラ的に出してみたいと思います」
――楽しみです!今回の反響についてのご感想は?
「普段のケーキとは違い、こう言ったネタ物?をたくさんの方に見てもらえて、凄いとか、信じられないと言ってもらえてとても嬉しく思います。こういった商品はあまり作らないのですが、商品の中にエンターテイメント性は必要だと改めて思いました」
――今後の展望を教えてください
「美味しいのはもちろんですが、見てキレイ、可愛い、面白いとか、そういった感情が出てくるような商品作りを続けていきたいです。また、以前はお菓子コンクールなどにずっと挑戦していましたが、今は自分の興味があることや、今までに得た知識や技術を、他の分野に活かしたり、全く新しいお菓子や製品を作り出すことに挑戦したいと思っています」
◇ ◇
そして、過去には実は麺も作っているという、中山さん。「これもお客様からの注文です。僕らには思いつかない発想ですよね。これは、着色した牛乳ゼリーと紅茶のゼリー、表面に浮かぶ脂部分は着色無しの牛乳ゼリーで表現しました。つまりゼリー菓子です」と、極太麺のラーメンを再現。こちらも気になりすぎるので、ぜひ提供してほしいところです!
そんな遊び心あふれる中山さんが、ケーキ作りにおいて気をつけていることは「美味しいは当たり前。そのうえで誰かのモノマネではなく、見た人に僕が作ったとわかってもらえるようなオリジナリティを意識しています。いずれは独立して僕のお菓子を好きだと言ってくれる方に向けてお菓子作りをしていきたい」と語ってくれました。中山さんのオリジナリティあふれるケーキが並ぶお店、今から楽しみです!
中山さんはTwitterで、ケーキ作りにまつわる話やオクシタニアルの商品について投稿しています。お菓子作りの裏側をのぞけるような投稿も。気になる方はぜひチェックしてください。
■中山和大さんTwitter https://twitter.com/nakazuhir0
■フランス菓子専門店オクシタニアル https://occitanial.jp/