京都・三条大橋近くのプランター散乱 花や土無残に「誰が…とんでもないこと」

堤 冬樹 堤 冬樹

 京都市内を流れる鴨川の美化の一環で、三条大橋(中京区)付近に並べられていたプランターの花や土がひっくり返され、散乱しているのがこのほど見つかった。以前から河川敷では放置ごみが問題となっており、清掃活動などに励む市民団体は「誰がしたのか分からないが、さまざまな取り組みでごみが少し減ってきたと思っていたところなのに残念」と嘆く。

 現場は三条大橋西詰のスロープ下付近の「鴨川の玄関口」で、普段から多くの人が行き交い、にぎわいを見せる。ただ、周辺ではごみのぽい捨ても目立ち、コロナ禍以前には鴨川を管理する府京都土木事務所が設置した注意喚起の看板が何者かに壊されたこともあったという。

  2020年にコロナ禍が直撃して人出が減り放置ごみもいったん減少したが、飲食店の時短・休業要請の時期には、河川敷に集まって飲食する人らが捨てたとみられるごみが再び増加した。

 市民団体「鴨川を美しくする会」は河川敷を定期的に大規模清掃しているほか、会員が毎日のように三条から四条にかけてごみを拾っている。空き缶や空き瓶、残飯や容器など容量45リットルで1~3袋分に上り、8月には500個以上の空き缶が集まった日もある。

 夜間のごみ投棄が多いため、明るくすることで抑制を図る狙いで、今年3月には三条大橋西詰のスロープ下を照らす照明が3基設置された。そして6月には、訪れた人に和んでもらおうと、同会の呼びかけで府京都土木事務所がプランターを六つ置き、近くの店舗の従業員らが花の世話や水やりなどをしていた。

 だが8月12日夕方、会員の1人がプランターの花や土が周囲に散乱しているのを見つけた。これまでプランターが移動していることはたびたびあったが、実際に被害に遭ったのは今回が初めてという。

 鴨川を美しくする会の杉江貞昭事務局長は「プランターの被害は衝撃的でとんでもないこと。花には何の罪もないし、多くの人が安らぎを求めて鴨川に来ているのに…」と憤りを隠さない。

 府は本年度にプランターが置かれていたあたりに気象や川の流量などを伝える情報表示装置を設置する予定で、周囲の整備も検討する。府京都土木事務所は「プランターのことは悲しいが、同じように設置してもまた被害に遭うかもしれない。対応を考えていきたい」としている。

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