「ワンちゃんの知育オモチャ
うまく転がすと穴からオヤツが出てくるって物なのですが
その穴に下顎がはまってしまい、取れなくなる事故が最近続けて発生してます
どのケースも取り外すまでに鎮静や全身麻酔まで必要になるほど厄介な事故です
飼い主の皆さん、ご注意を」
犬用の知育おもちゃがワンちゃんの下顎にはまり、取れなくなるなどの事故が起きたと報告・注意喚起をする獣医師のツイートが話題になりました。
投稿したのは、獣医師の小吹貴之さん(@ConsultingVets)。小吹さんによると、事故が起きたのは、転がすとオヤツが穴から外に出る知育おもちゃとのこと。ワンちゃんが遊んでいたら穴に下顎が入って取れなくなってしまったそうです。
転がすとオヤツが穴から外に出る知育おもちゃ「うちの子も同じ商品で歯がハマった」
今回のツイートには、愛犬が同じような事故に遭ったという飼い主さんのリプライや注意喚起に対する感謝のコメントなどが多数寄せられています。
「うちの愛犬はこの商品に下顎がはまってしまいました。ご注意ください。ほんと危ないです。」
「こういった啓発はとてもためになります。ありがとうございます。」
「うちのトイプー3年くらいこれで遊んでるけど、口を突っ込むというか噛み付こうとしたことないな...鼻先か前足で転がすだけ。ワンちゃんにもよるのかもしれないですね。」
「確かに、はまっちゃって取れなさそうな形ですね。注意喚起ありがとうございます。私もおもちゃ選びは気をつけていたけどコレは、見逃しそうでした」
「ハムちゃん用品でも手が挟まって壊死、な話を度々聞きます。メーカー様の対応はもちろんですが、私たち自身で危険性を想像して与えるかきちんと判断したいですね。」
「メーカーさん、改良お願いします 安全第一!!」
「貴重な情報を有難うございます オモチャ選びもしっかりと不意の事故にも注意したいと思います」
「うちの子も同じ商品で歯がハマってキャンキャンしたことあります!ウチの子は取れたけど…危ないですね」
「ワンちゃんの苦痛になるオモチャを避けて、楽しみたいですね。」
事故に遭ったワンちゃんがどうなったのか? 投稿した獣医師の小吹さんに聞きました。
穴にはまった下顎を取り外すまでに鎮静や全身麻酔まで必要に
――今回事故に遭ったワンちゃんについて教えてください。
「チワワの1歳、避妊済み雌です」
――今回投稿された写真の知育おちゃですが、ペット用品メーカー「ドギーマン」の超小・小型犬用の知育玩具Sサイズ「IQ ステップボール」のようですね。
「おそらくご指摘のものだと思います。飼い主様から見せてもらった商品画像もその商品でした」
――事故の内容は「遊んでいたら穴に下顎が入って取れなくなってしまった」とのこと。続けて発生したそうですが。
「そんなに多発しているわけではないです。相次いでいるのではなく、当院で近い時期に2件続いたということですね。前回の1件目も今年の夏でした。同じくチワワです」
――取り外すまでに鎮静や全身麻酔まで必要になるほど厄介な事故だったとか。ワンちゃんのけがの状況は?
「今回の子は下顎の前歯がすこしグラついてしまいました。あとは口腔内の粘膜から多少の出血がありました。同じような事故では亡くなるようなことはないですが、今までいろいろなアイテムでの事故で亡くなっているワンちゃんは普通にいます」
――怖いですね。同様の知育おもちゃは、ドギーマン以外でも販売されていますか?
「同様のおもちゃが他社から販売されているか、私は把握してません。ドギーマンで販売している知育おもちゃによる事故が多いとも感じておりません。ただ、このような事故があることを使用する飼い主さんたちに知ってもらえたらと思いツイートしました」
――今回の事故を受けて、犬用のおもちゃ選びなど啓発メッセージをお願いします。
「完全に安全なおもちゃというものはないので、いろいろなアクシデントも想定しながら正しく見守り、安全に使用してください。何か困ったことや不安なことがあれば、早めに主治医に相談してください」
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知育おもちゃの販売会社、該当商品は「在庫のみで製造終了」 柔らかい素材に改良した新製品を発売中
また今回の事故を受けて、「IQ ステップボール」を販売している「ドギーマンハヤシ」(本社:大阪市東成区、代表:林雄一社長)の担当者にもお話を伺いました。
――「IQ ステップボール」の商品について教えてください。
「『IQ ステップボール』は 2008 年2月20日に超小型、小型犬用の知育玩具として発売させていただきました。14年以上、お客様からご評価いただいていた人気商品でございましたが、新製品として、フード出口をやわらかい素材に改良させていただいた『学びのたまご』を 2021年8月21日に発売。同時に『IQ ステップボール』を在庫のみで製造終了とさせていただいた次第です。販売個数につきましては回答を控えさせていただきます。また大型犬用は販売しておりません」
――チワワのワンちゃん(1歳)の下あごが「IQ ステップボール」の穴にはさまって取れなくなるという事故がありました。今回のような事故がこれまでも報告が上がっていますか?
「事故件数等については、人により受ける印象が異なるので、誠に申し訳ございませんが回答を控えさせていただきます。ご理解のほどお願い申し上げます」
――事故があったことをお伝えしましたが、再発防止に向けての対応策や今後商品に関する注意喚起などを行っていく予定はございますか?
「お客様のお声を注視し、随時対策等を検討してまいります。また、2022年9月に弊社ホームページのQ&Aを下記のように変更いたします」
(現状のQ&A)
Q:ペットが長時間おもちゃを噛み続け、噛みちぎりそうになることがありますが、そのまま与えていてもいいですか?
A:ペットの好きなように噛ませ続けることは、誤飲のリスクが高まるため大変危険です。幼いペットや歯の生え変わりの時期は特に注意が必要です。おもちゃで遊ばせる際は、突発的な力で破損させることを想定し、そばで見守りながら遊ばせましょう。また、破損しそうな遊び方、噛み方をしている場合は、すぐに取り上げ、適切な遊び方をしつけるか、使用を中止してください。遊び終えたおもちゃは、ペットが触れない所に保管してください。
(変更後のQ&A)
Q:ペットがおもちゃをとても気に入り噛み続けていますが、そのまま与えていてもいいですか?
A:ペットの好きなように噛ませ続けることは、誤飲や破損による怪我、その他事故のリスクが高まるため大変危険です。幼いペットや歯の生え変わりの時期は特に注意が必要です。おもちゃで遊ばせる際は、取扱説明書をよくご覧になり、想像以上の噛む力で早く壊してしまう可能性を想定し、そばで見守りながら遊ばせましょう。また、振り回すなどの危険な遊び方をしている、同じところを長く強く噛んでいるなどの場合は、すぐに取り上げてください。 また、普段から「ストップ」等の声で静止するようトレーニングしておく、おやつ等で気をそらすのも一案です。なお、遊び終えたおもちゃは、ペットが触れない所に保管してください。」
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